作品情報 2023年日本映画 監督:野田孝則 出演:藤竜也、石倉三郎、山口果林 上映時間107分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2023年劇場鑑賞173本
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【ストーリー】
カレー屋を経営している76歳の尾田桃次郎(藤竜也)は地元のケーブルテレビに店が取り上げられたことから、高校時代のマドンナ木下サクラ(山口果林)と再会する。桃次郎がラグビー部のキャプテン、サクラがマネージャーという仲だった。
ところが、サクラの経営するデイサービスが悪徳業者によって地上げにあう。桃次郎はサービスの知名度、人気を上げるためにゲートボール大会で優勝することを決意。かつてのラグビー部の仲間(石倉三郎、大門正明、森次晃嗣、小倉一郎)に声をかけ、チームを結成する。急逝した仲間・嶋田(毒蝮三太夫)の孫娘で高校のゲートボール部キャプテン七海(本田望結)に猛特訓をうけるが、悪徳業者もゲートボール大会に出場し、桃次郎たちに恥をかかせようと画策して…
【感想】
冒頭、毒蝮三太夫の遺影が出た時点で客席から笑いがもれていました。森次がウルトラセブンそっくりの赤い眼鏡を掛けるたびに掛け声を言ったり、悪徳業者の社長(直江喜一)のカツラが興奮するたびにずれたりと、昭和チックなギャグが次々と展開します。個人的には普段はお嬢様なのにゲートボールのスティックを持った途端、乱暴なプレイヤーに変貌する七海のギャグがツボに入りました。
ストーリーも勧善懲悪の昭和チック。ただ、サクラが認知症が入っていたり、妻に先立たれて息子一家と同居しているとなんとなく肩身の狭い桃次郎、引きこもりの息子の世話を70歳すぎてもやっている花田(石倉)など、現代の高齢者の悩みも盛り込んでいるので、高齢の観客には身につまされるところもあったでしょう。
僕はゲートボールのルールを知らないのですが、最初はばかにしていた老人たちが女子高生にけちょんけちょんにやられて、一生懸命トレーニングに励むのはスポコンものの王道。劇中でも言われますが、人間いくつになっても遅すぎることはないということを体現していました。メンバー間のいざこざも含めて、スポーツものとしても根っこは王道の展開となります。
クライマックスは市の競技場でのゲートボール大会。解説者役に昨年亡くなられた三遊亭円楽が、自分自身の役で登場します。これが映画の遺作になったのかもしれませんが、いじられ役になっており、噺家としてはおいしいポジションに。このほか、藤、石倉、山口をはじめとする大ベテランが大げさな演技をしているのだから非常にわかりやすい。子供から高齢者まで純心に楽しめる娯楽作でした。なお、桃次郎たちの高校時代の俳優が美男美女ぞろいなのですが、ネットで調べても役者名がわかりませんでした。結構重要な役なので、ホームページにのっけてくれれば良かったのに。
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