2023年06月03日

アダマン号に乗って

 ナレーションも解説も一切入れずに、その場で起きている状況をぶつ切りでつないでいくドキュメンタリー。「ニューヨーク市立図書館」なんかを思い出しましたが、本作は精神障碍者を取り上げているため、妄想がそのまま淡々と垂れ流されるのには閉口し、苦痛の時間が続きました。福祉関係者には勉強になるのかな。

 作品情報 2022年日本、フランス映画ドキュメンタリー 監督:ニコラ・フィリベール 上映時間109分 評価:★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町  2023年劇場鑑賞176本

 【ストーリー、感想】
 パリ・セーヌ川に浮かぶアダマン号は精神障碍者の人のデイケア施設。音楽や美術など想像的な活動が行われており、社会とつながりをもてるようにすることが目的です。

 カメラは入居者、看護師、医師らの様子を淡々と流すのだけど、それぞれ数分のエピソードは独立していて、全体として何がいいたいのかさっぱりわからない。しかも、「自分はヴェンダース監督の映画のモデル」「ゴッホの生まれ変わり」などといった妄想をひたすら語る様子を写すだけ。

 利用者が唄うシーンや絵を描いているシーンは本人たちは楽しそうでしたけれど、他人のリハビリをみてもだから何?としか思えませんでした。ドキュメンタリーはナレーションなり解説がないとしんどい。

 ベルリン映画祭で金熊賞をとったので、作品の質は高いのでしょう。でも、そもそも世間とそんなに変わらないのに、ここが唯一の素晴らしい場所だと作品のエンドロールで書くのは、ちょっと世の中を知らなすぎるのではと思ってしまいました。ひたすら睡魔との戦いでした。
posted by 映画好きパパ at 19:52 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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