作品情報 2022年日本映画 監督:葛里華 出演:宮沢氷魚、小西桜子、細田善彦 上映時間103分 評価:★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2023年劇場鑑賞180本
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【ストーリー】
出版社の若手編集者、小向春(小西桜子)は自分のやりたい企画が見つからず、編集長(戸田昌弘)に怒られてばかりいる。ある日、編集長から青い絵具ばかり使う若手画家の屋内透(宮沢氷魚)の担当を命じられ、一緒に会いに行くと透が発達障害だった。
最初は戸惑った春だが、次第に純真な透に惹かれていく。だが、嘘のつけない透のストレートな言動は続く。いっぽう、春には同棲中の恋人(細田善彦)がいて…
【感想】
中盤までは発達障害の特性を持つ透の生きづらさと、それでも絵を書くことで救われるという前向きな姿勢がじんわりきました。これまで周りのいくことを聞けばよいと思っていたいい子ちゃんの春が、透と出会って変わっていく。透と恋人の揺れる思いに悩むところなどはロマンスぽくて良いと思ってました。
ところが後半がまったくあわない。透が発達障害だからこそ、自分の足りない部分があり、それで恋に落ちたはずなのに、自分がお姫様のようにかまってちゃん、わかってちゃんオーラを出しまくる春。恋人との関係も描写不足です。出版社と担当の仲とはいえ仕事をほったらかして片思いの透にうつつを抜かす。こんな脳内お花畑の女には嫌悪感を覚えます。
小西はかわいい系の顔をしており、「初恋」「猿楽町で会いましょう」のように、それをいかした癖のある役はすごいはまって映画を面白くさせるのです。しかし、本作では完全にあほビッチで、しかもイケメンの透との間もいいようにくっついていく。そもそも発達障害の人って性欲がないの?なんか障害者を聖人のように描くのも、令和になってるのにという気がしてなりませんでした。
タイトル通り春の象徴である桜関連の映像や、透の描く青の基調の絵などは見ていて素直にきれいだなと思えます。それだけに前半のようにゆったり進めば佳作になれたのに、やはり何もしなくてもイケメンがいろいろ尽くしてくれるというのは女性の理想なんでしょう。あと、公式ページや映画サイトで、役名・配役が主役2人以外明らかにしていないというのもなんだかなという感じでした。編集長はまだしも、細田の役名ぐらいいれればいいのに。また、劇中で実際のホラー映画「呪鈍」をさんざんけなしていたけど、逆にみたくなりました。
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