作品情報 2023年日本映画 監督:渡辺一貴 出演:高橋一生、飯豊まりえ、木村文乃 上映時間118分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ港北ニュータウン 2023年劇場鑑賞187本
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【ストーリー】
人気漫画家の岸辺露伴(高橋一生)は他人の記憶を文書化して読み取るという不思議な能力「ヘブンズ・ドアー」を持っている。そのことから不思議な事件に巻き込まれることも多かった。オークションで真っ黒な絵を出されているのを知った露伴は、担当編集者の泉(飯豊まりえ)とともにオークションに出席して絵を落札する。だが、絵を狙う怪しげな2人組(池田良、前原滉)に襲われた。
その絵は模写であり、オリジナルの絵はルーブルに知った露伴は泉とともにルーヴルへ行く。絵のことは露伴が若いころ、実家に下宿していた謎めいた美女、奈々瀬(木村文乃)から、「この世で最も黒く邪悪な絵」と聞いていたのだ。ルーヴルについた露伴たちの回りで次々と怪事件に起き…
【感想】
原作マンガは未見ですが、NHKドラマは全話視聴済み。ルーヴルというスケールの大きな場所でも、口うるさくおせっかいな泉と、ぼやきながらも謎に挑む露伴という関係は変わらず、ドラマ版視聴者なら楽しめると思います。マンガもドラマも未見だとちょっととっつきにくいかも。
ルーヴルでの邦画の撮影許可が降りたのは、綾瀬はるか主演の「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」(2014年)以来ですが、本作のほうがNHKが手掛けていることもあってか、よりルーヴルの魅力を引き出しているように思えました。僕自身はルーヴルに行ったことがないのですけど、一度は行ってみたいと思わせます。
同時に、若いころの露伴(長尾謙杜)のエピソードの雰囲気もすごく良い。田舎の旅館を改築した祖母(白石加代子)が営む下宿という設定もいかにもですが、日本の田舎の原風景のようなところにたたずむ美女に木村がぴったり。よくよく考えれば、露伴の年からすると平成に入ってからのできごとのはずなのに、戦後すぐの横溝正史の世界のような雰囲気はゾクゾクしました。
映画だけだと謎が残るところもありますが、原作を読んだ人なら納得できるそう。でも、こういう怪異譚はむしろ全部すっきり謎解きされるよりも、謎が残るほうが趣が残ります。高橋と飯豊の掛け合いや、ゲストの小ネタなどはドラマを見ていてるので深みがあって面白かったですが、まったくこれまでの作品が未見でも、謎が残るもやもや感が好きな人は楽しめる作品でしょうね。
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