作品情報 2022年アメリカ映画 監督:サラ・ポーリー 出演:ルーニー・マーラ、クレア・フォイ、フランシス・マクドーマンド 上映時間105分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2023年劇場鑑賞192本
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【ストーリー】
中世のような生活で外部と隔絶してくれるキリスト教原理主義の村で、男が女性に対して次々に性的暴行をしているのが分かった。男たちが警察に逮捕された犯人を迎えに行く2日の間に、女性たちはこのまま何もなかったことにするか、村に残って闘うか、村を去るかの3つの選択肢から答えを選ばなければならなかった。
投票の結果、村に残って闘うと村を去るが同数となり、女性たちの代表として3家族が話し合って結論を出すことになった。
【感想】
男が女性に性的暴行をしても村の権力者によって隠ぺいされ、自殺者まででてしまうなんて、すごいおぞましい事件。女性たちは字も読めず、普段から男に虐げられ、騙されるのが日常でした。予告編をみてしっていましたけど、中世の話かと思いきや現代の話なんですからびっくりです。
実際に2000年代にボリビアのキリスト教原理主義の村で起きた事件をもとにしています。ただ、女性の権利が高いアメリカでいくら周囲と隔絶しているからと言ってこんな事件が起きるのか。また、制作に賛成したのか豪華女優陣が出演していますけれど、正直、モデルとなった事件のようにボリビアを舞台に無名女優で作ったら良かったのにと思いました。ハリウッドで流行中のME TOOにのったポリコレ案件に見えてしまいます。
議論もよくわからず、早々に片方に話がまとまったのが不思議。また、赦しの概念はキリスト教でない僕にはピンとこないし、男を赦すだけではなく神の許しとはどんなものなのか、その重みが伝わってきませんでした。だから、抑圧された女性たちが理性的に男に立ち向かうという基本設定も含めて、議論の中身が僕の中では右から左へと流されていきます。
女性たちの心情を表したのか、極端に彩度を落としてまるで白黒のように見える画像、効果的に使われるデイ・ドリーム・ビリーバーなど映画としての質は高く、さすがサラ・ポーリーといったところ。肝心の議論については、みっちり話し合う民主主義の基本を2023年に描いたという歴史的な価値はあるのかな、と思いました。でも議論内容は僕にとって高尚すぎました。
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