作品情報 2023年アメリカ映画 監督:ロブ・マーシャル 出演:ハリー・ベイリー、ジョナ・ハウアー=キング、ハビエル・バルデム 上映時間135分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2023年劇場鑑賞199本
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【ストーリー】
人魚のアリエル(ハリー・ベイリー)は人間の世界に興味津々。そんな彼女を父親で海の王者のトリトン(ハビエル・バルデム)は危惧していた。嵐の晩にエリック王子(ジョナ・ハウアー=キング)を乗せた船が沈没。アリエルは王子を助けて浜辺に連れていく。
気が付いた王子は自分の恩人の女性を探すが、記憶がはっきりしない。一方、王子に恋をしたアリエルは海の魔女アースラ(メリッサ・マッカーシー)にそそのかされ、3日だけ人間になれる代わりに、そこで王子に真実の愛のキスをされないと恐ろしい目にあうという約束をしてしまう。
【感想】
ディズニーアニメの「リトル・マーメイド」は見ていないので、アリエルが白人だろうと黒人だろうと個人的にはどうでもいい話と思ってました。ただ、実際に映画を観て、嵐の夜に船が沈没したとき、アリエルがイケメン白人の王子とその飼い犬しか救出せず、しかもすぐに恋に落ちたことに、ちょっと違和感を覚えました。それこそルッキズムそのもの、貴族趣味丸出しという感じがしてなりません。
なぜか王子は養子設定で、現在の王国の女王(ノーマ・ドゥメズウェニ)は黒人設定。一方で黒人のアリエルの父のトリトンは白人です。まあ、人魚はなぜか白人、黒人、黄色人種とそろっているので人間の遺伝とは違うものだとしても、女王を黒人にするのだったら王子も黒人にすればいいのに。これでは格好良くてイケメンなのは白人、という思いが刷り込まれてしまうのでしょうか。
また、アニメ版に沿っているのでラストも原作のアンデルセンの哀しくも美しいものではなく、単なるアクションになってしまいました。実写になったのですが、巨大化したアースラのCGが思わず噴き出したほどこっけい。アクションもアニメでみるならまだしも、実写だとえっこれだけ?と思うほどあっけなかった。
海でのミュージックシーンは、ベイリーを人種ではなく歌のうまさで選んだとマーシャル監督がいうように印象深いし、魚たちの踊りもさすが実写という感じでゴージャス。マーシャル監督は「シカゴ」などミュージカルの映画化には定評がありますしね。それだけに、アリエルを黒人にしたことでポリコレ騒動が勃発し、映画そのものよりも話題になっているのはかわいそうな気がします。
なお、アメリカでは黒人の子供が大喜びして大ヒットしていますが、それ以外の国、特に中国では苦戦しています。日本では興行収入数十億円のヒットにとどまりそうで、最近のディズニー映画にしては頑張っていますが、それでも「アラジン」「美女と野獣」「不思議の国のアリス」などに比べたら低水準となりそうです。
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