作品情報 2023年アメリカ映画 監督:ジェラード・ジョンストーン 出演:アリソン・ウィリアムズ、ヴァイオレット・マッグロウ、ロニー・チェン 上映時間102分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2023年劇場鑑賞200本
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【ストーリー】
9歳の少女ケイティ(ヴァイオレット・マッグロウ)は旅行中に交通事故に遭い、目の前で両親を失った。叔母のジェマ(アリソン・ウィリアムズ)に引き取られるが、独身のジェマにとって子供にどう接したらよいかは難問だった。
大手おもちゃ会社の研究者であるジェマは、CEOのデヴィッド(ロニー・チェン)からAIを使った新しいおもちゃを作るようせかされていた。そこでジェマは世界で初めてとなる完全自律型のAI人形「M3GAN」(ミーガン)を完成。実験的にケイティに与えたところ、2人は大の仲良しに。しかし、ケイティを守るように言われたミーガンは次第に暴走。ついには殺人を繰り広げて…
【感想】
AIが急速に進歩したうえ、ミーガンの非常に精巧な人間ともロボットともつかないキャラクターデザインがうまくマッチ。予告編でも流れるケイティとのダンスは不気味の谷(人間に似ているロボットに抱く嫌悪感)を乗り越え、なんともキュートになっています。また、完全自律型でケイティが望む言葉や対応をとってくれるというのも素晴らしいアイデア。
ただ、子供のころから挫折をしらずAIロボットに「よしよし」されながら育つと、社会性が欠如したまま大人になってしまいます。アメリカでは幼少時に甘やかされすぎて、素直すぎて傷つきやすい若者の存在が社会課題になっており、キャンセルカルチャーの一因ともされています。日本でも育児の際にスマホべったりの親が増えているのをみると、ミーガンのような精巧なAIロボットができたら、子供のしつけ、発育にどんなに悪影響を与えるのか、映画での殺人行為以上にぞっとします。
また、ミーガンはケイティを守るように言われたから守ってるのであって、アシモフのロボット3原則のように、人間を殺してはいけないという基本原則をプログラミングしなかったジェマが一番悪い。はっきりいって天才科学者のわりには、そういう頭の悪さ、モラルの無さで見ているこちらをイライラさせます。
ミーガンはどんどん殺人を重ねていくのですが、むしろ本人にとっては当然の行動をしているだけで、むしろ応援したくなります。ラストに犠牲になったと思われていた人が生きていたシーンもでてましたけど、これも含めてもっと大勢の人を襲っていれば、よりAI進化と人間の愚かさの対比になったのになあと思えてなりません。その点ではチャッキーが大活躍した「チャイルド・プレイ」のリメイクのほうがテンション上がりました。でも、本作も十分楽しめましたけどね。
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