2023年06月26日

忌怪島/きかいじま

 清水崇監督が日本のJホラーの中興の祖であることはいえるんですが、ここ最近の作品は今一つ。本作も伝統的な怪異にメタバースをいれようと工夫はしているのだけど、よくわからないまま終わってしまいました。

作品情報 2023年日本映画 監督:清水崇 出演:西畑大吾、生駒里奈、山本美月 上映時間109分 評価:★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ  2023年劇場鑑賞206本



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 【ストーリー】
 天才脳科学者の片岡友彦(西畑大吾)は島全体をスキャンしてメタバースで再現するというプロジェクトのために、孤島へやってくる。だが、プロジェクトの責任者出井(伊藤歩)は謎の死を遂げており、不可解な事件が起きていた。

 島のシャーマン、トキ(吉田妙子)はかつて村人に殺されたイマジョの呪いだという。一方、片岡は島で父親(大場泰正)の謎の死の真相を追う女性、園田環(山本美月)と知り合う。環や研究メンバーの深澤(生駒里奈)、山本(平岡祐太)らとともに、イマジョの呪い
を調べていく片岡だったが。

 【感想】
 島の怨念のシーンはわかるのだけど、VR、メタバースとくっついたことで、観ているこちらの頭が混乱していきます。現実世界の怨念がメタバースの世界を通じて現実に現れるって、話自体は黒澤清作品みたいだけど、演出、脚本がよく整理されていないため、なにがどうなっているのかさっぱり分からない。

 また、メタバースの研究チームも何をしているのか伝わってきません。西畑は実年齢からもこれまでの役柄、イメージからいっても天才脳科学者としてはミスキャスト。生駒、平岡ら他のメンバーの仕事ぶりや、そもそも、特撮の秘密基地のようなコントロールルームを含めて、リアルさがゼロなんですよね。ホラーって、超自然を扱うのでそれ以外の細部をリアルっぽくしないと本当に絵空事にしか見えなくなります。

 怖さも皆無だし、頭が混乱するようなストーリーのため痛快な面白さも皆無。清水監督の過去の村シリーズはそのどちらかは含まれていただけに、それらよりも面白くありませんでした。せめて、イマジョの大暴れシーンをもっとしっかり描いていればよかったのに。

 イマジョ役は祷キララで、怨念の象徴ともいえる難役をなかなかの怪演。また、イマジョ絡みで村で迫害されている老人(笹野高史)を助ける心優しい女子中学生役の當真あみも美味しいポジション。若手女優の頑張りという意味では見られましたけれどね。
posted by 映画好きパパ at 06:20 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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