2023年07月23日

マッド・ハイジ

 アルプスの少女ハイジの原作小説が著作権切れをしたために作られたパロディー怪作。昨年のクラウドファンディングのときからB級映画ファンの間では話題騒然でした。実際みたところ、想像通りのできであったもののせっかくだったらもっと突き抜けてほしかった感じも。でも、日本語吹き替え版まで上映してくれたので制作会社に感謝しなければ。

作品情報 2022年スイス映画 監督:ヨハネス・ハートマン、サンドロ・クロプフシュタイン 出演:アリス・ルーシー、キャスパー・ヴァン・ディーン、デヴィッド・スコフィールド 上映時間92分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ  2023年劇場鑑賞241本



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

 【ストーリー】
 24歳になったアルプスの少女ハイジ(アリス・ルーシー)は恋人のペーター(ケル・マツェナ)とイチャイチャしながら、牧畜に励んでいた。だが、スイスは独裁者マレリ(デヴィッド・スコフィールド)によって、チーズはマレリ社以外の製品は禁止されていた。

 ペーターが自家製のチーズを作ったため、クノール司令官(マックス・リュートリンガー)によって処刑されてしまう。さらに、おじいさん(キャスパー・ヴァン・ディーン)までがハイジの目の前で犠牲になってしまう。女囚刑務所に入れられたハイジは復讐を誓い…

 【感想】
 予告編をみたら大体想像がついてしまうのですけど、期待通りのシナリオになっています。ハイジというかわいらしさのアイコンを使って、スプラッタ―なアクションに。もっとも、R18なんだけど、あまりにも作り物っぽいので残酷性はそれほど感じられませんでした。修行シーンとか真面目にパロディしているのがかえっておかしいほど。

 スイスでは各方面に怒られて、脚本家は警察を首になったり、予定ではスイス・アーミー・ナイフを武器にするはずがクレームがついて日本刀や槍になるなどのドタバタぶり。両監督はアニメ版のアルプスの少女ハイジや三池崇史監督の影響を挙げているので、日本刀がでてくるのもむべなるかな。吹き替え版では内田真礼がハイジ役なんだけど、彼女にこんなしょーもないセリフを言わせてと笑いたくなるのもツボでした。

 また、アリス・ルーシーをはじめ出演者たちの振り切った演技もみもの。映画初出演だそうですが、アクションを含めてヒロインの貫禄十分。脇役ではキャスパー・ヴァン・ディーンは「スターシップ・トゥルーパーズ」の主役だったし、こういうB級映画にノリノリで出てくるのもいかにもといった配役です。

 クララ(アルマル・G・佐藤)とかロッテンマイヤー(カーチャ・コルム)とか原作やアニメ版をしっていると思わずにんまりする登場人物が予想外の行動をしてくるのもたまりません。グロはともかく大統領のメイドが裸エプロンでトップレスになってるなどの変なエロが必要だったのかという気はしましたが、制作者側がスイス初のエクスプロイテーション映画(際物映画)を作りたいというのでしょうがないかもしれませんが。

 チーズと美しい山々というスイスのイメージが台無しになってしまうかもしれませんが、見終わった後はチネチッタ前にあるチーズ専門店で昼食をとってしまいました。予算がつきたのか最終決戦がちょっとしょぼくて、そこが不満かな。B級映画を突き詰めて、ここで「キラーカブトガニ」のようなとんでもないラストにすればよかったのに。なお、エンディング曲でYOKOHAMAに雪がないとかいう曲が流れていたのですが、検索してもでてこない。なんの曲だったのだろう。
posted by 映画好きパパ at 06:15 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。