作品情報 2023年日本映画 監督:ナカモトユウ 出演:木戸大聖、黒崎レイナ、屋敷紘子 上映時間85分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:池袋シネマロサ 2023年劇場鑑賞246本
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【ストーリー】
喧嘩によわいくせにいきがっているヤンキーのタケシ(木戸大聖)は子分のF1(上野凱)とともに原付を盗んでは半グレたちに売って小遣いを稼いでいた。そこへ転校してきた女のヤンキー、アヤカ(黒崎レイナ)は二人を面白がり、一緒につるむようになる。
ところが、ある日、ピンクの古いバイクをタケシとF1が盗んだところ、なんとそれは都市伝説の口裂け女(屋敷紘子)のものだった!怒った口裂け女はバイク並みのスピードで走って追いかけてくる。何とか振り切ったタケシたちだったが、町では女子高生の失踪事件が起きていて、口裂け女の仕業と噂になっていた…
【感想】
このご時世はマスクがまだ多く、タイトルからして、高校生たちが口裂け女に襲われて学校の先生なり霊能力者なりに助けを求めるものかと思ってました。ところが、なんと口裂け女は実は性格は悪くなく、捕まえたタケシたちが反省したら許してくれたどころか、人並み外れた格闘技をタケシに伝授。「口裂け女先生」と呼ばれているのです。これは笑った。
そしてヤンキーのゆるゆるパートも日常的で観ていて楽しい。原付泥棒は良くないことですが、父親(大迫茂生)に男手一つで育てられる家庭環境も描かれます。また、アヤカが美人なのに恋愛にも性欲の対象にもならず、3人がフラットな関係でだべったり、しょうもないことをしているのもいい。全体的にしょうもないくだらなさが次第に愛おしくなります。警察に通報しないというのもなぜかこの手のホラーあるあるだし。
このまま、ゆるふわ路線でいくのかと思いきや、クライマックスでしっかりアクションをみせてくれて緩急のつけどころはいい。特に屋敷のアクションの切れはすさまじく、映画館で思わず座席を座りなおしてしまったほど。ただ、惜しむらくは脚本の展開上しょうがないとはいえ、ラスボス戦があっけなかったこと。ここがもうちょっと血沸き肉躍るアクションだったらよかったのになあ。
それにしてもヤンキーも口裂け女も昭和の遺物。令和の高校生がわかるのかと思いきや、妙になじんでいたのがおかしい。木戸大聖の緩い主人公ブリはいいけれど、やはり黒崎レイナのヤンキーぶりのほうが可愛らしい。上野も含めて中心の3人組がしっかり演技できるから観ていて安心。そしてなにより、次第に応援したくなる口裂け女を演じた屋敷に拍手を送りたくなりました
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