作品情報 2022年メキシコ、スペイン映画 監督:イサーク・エスバン 出演:パオラ・ミゲル、オフェリア・メディーナ、サマンタ・カスティージョ 上映時間100分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2023年劇場鑑賞262本
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【ストーリー】
13歳の少女ナラ(パオラ・ミゲル)は妹のルナ(イバナ・ソフィア・フェロ)が原因不明の病気のため、母レベッカ(サマンタ・カスティージョ)の実家の田舎の村に家族でやってきた。初めて会う祖母のホセファ(オフェリア・メディーナ)は冷酷で、ナラにきつくあたった。
不気味な出来事が続く中、女中のアビゲイル(パロマ・アルバマル)から、村に伝わる魔女の伝説を聞いたナラは、ホセファが魔女ではないかと疑う。さらに、レベッカと父のギレルモ(アラップ・ベトケ)が急用のため3日ほど家を明けることになり、幼い姉妹は祖母と残されることになったのだが
【感想】
陽光がふりそそぐ一方で不穏な雰囲気が漂う田舎の村。そこで起きる不気味な出来事は夢か現実か、終盤までどちらともとれるように出来ています。さらに両親の不在で、自分が不気味な祖母から妹を守らなければならないというナラの絶望と決意も「パンズ・ラビリンス」を想起させました。
祖母の行動はいかにも怪しいですが、ナラの夢落ちやおとぎ話的な伝説の場面を繰り返し見せることで、観客にとってもナラの妄想か現実か判断がつきにくくしています。また、普段は陽気なアビゲイルはもちろん、優しい母も含めて周囲も何か秘密がありそう。頼れる大人のいない絶望にしだいに落ちていく心理描写はうまい。
クリーチャーもオーソドックスな人型ではあるけど工夫を凝らしており、これまた幻想か現実かわかりにくくしています。緊張感を高める音楽で出る出ると思わせて、さあ出たという典型的なホラー演出も多かったですけど、少女が主役ということもあり良い意味で古典的な驚かせ方が効果的でした。
メキシコの土着宗教っぽさもたまりません。終盤の畳みかけるような展開も、エンタメとして良くできていると感心しました。なにより、少女役のパオラ・ミゲルの若きスクリームクイーンぶりが最高でした。
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