2023年08月25日

さよならエリュマントス

 イケメンながら変人をやらせたら右に出ることのない中島歩のダメっぷりを堪能できる作品。非常な珍品なので観る人を選ぶと思いますが、僕はケタケタ笑いながら楽しみました。

 作品情報 2023年日本映画 監督:大野大輔 出演:中島歩、瑚々、斉藤里奈 上映時間76分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷  2023年劇場鑑賞281本




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 【ストーリー】
 山梨のチアリーダーグループ、エリュマントスはもともと社会人野球のチアリーダーだったが所属チームが倒産し、今はマネージャーの宍倉(中島歩)に連れられて県内をドサ回りしている。 

 安月給で働かされ先行きが見えないため、メンバーと宍倉は口論ばかりで険悪な雰囲気。さらに、地方の温泉に行った際、宍倉の不用意な発言が地元の半ぐれ(米本学仁)の怒りをかい、リーダーの里奈(斉藤里奈)ともども拉致されてしまう…

 【感想】
 昨年の「グリーンバレット」に続くミスマガジンたち主演のアイドル映画で役名が本人と一致するスタイルですが、完全に中島歩劇場になっていました。まず冒頭、野外で10人程度しかいない観客の中に盗撮犯を見つけた宍倉が、ゆるきゃらの人形を着ながら鬼の形相で追いかけます。これだけでホラー短編のような感じ。

 さらに、物語の山ともいえる半グレ拉致事件も、宍倉が田舎のプロパンガス屋の社長(川瀬陽太)とあこぎなビジネスで盛り上がったうえ、若い美人ママ(豊田ルナ)に絡んだのが原因というしょうもない理由。里奈をはじめとするメンバーたちをおどし、なだめ、すかしといった口八丁と、今風のものおじしない女の子たちとの口論も観ていて笑えます。

 ストーリー自体はしょうもないのですが、エリュマントスメンバー6人の個性も良く出ていて、キャラのかき分けがきちんとでています。タイトルロールは瑚々ですけど、6人ともそれぞれ見せ場があり、むしろリーダーという役柄上、斉藤のほうが目立った感じも。実際にチアリーディングでドサ回りしている人たちがいるのかわかりませんが、地下アイドルのように売れない彼女たちの将来不安って、ある程度、本人たちにも重なる部分があり、メンバー間のぎすぎすした関係も含めて、楽屋話みたいでよかった。クライマックスのダンスが他のダンスとどう違うのかいまいちわかりませんが、これも売れないグループだったらさもありなん。

 クライマックスに唐突にアクションがぶっこまれることもあり、とにかく全体を通じてカオスなんで、真面目な映画ファンがみたら怒るかもしれませんが、「グリーンバレット」とはうってかわった緩ーいアクションも含めて、なんとも愛おしい作品でした。中島歩の最後のセリフも噴き出しそうに。珍品映画好きにとっては見逃せない作品でした。

posted by 映画好きパパ at 06:19 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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