2023年08月28日

バラシファイト

 演劇上演後の舞台装置を片づけることを「バラシ」といいますが、そこでスタッフたちが命がけのバトルを繰り広げているという奇想天外なアクション。アイデアは面白かったのですが、いかにもな人情的な話を付けたのがマイナスでした。

 作品情報 2023年日本映画 監督:開沼豊 出演:小澤雄太、浅野和之、長谷川初範 上映時間89分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい  2023年劇場鑑賞286本



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 【ストーリー】
 ベテラン俳優、馬場田考次(長谷川初範)が座長となった演劇公演が無事終了した。俳優陣は打ち上げ会場に移動し、スタッフたちの到着を待っていた。だが、演劇の予算は少なく、スタッフまで打ち上げに参加できない。そのため、片付け終了後に打ち上げ参加をかけて、各部署が闘うバラシファイトがひそかに行われていた。

 舞台監督の巴川健一(小澤雄太)は打ち上げが嫌いだとしてバラシファイトへの不参加を表明した。かつては伝説のファイターだったが、バラシファイトを始めた師匠の奈須宗二(浅野和之)がバラシファイトで不慮の悲劇に見舞われたため、闘う意義を見失っていたのだ。しかし、演出部の新人、手賀沼(寺坂頼我)が強引にファイトに乱入してしまい…

 【感想】
 演劇経験者やファンなら面白いのかもしれません。各部対抗のバトルロアイヤル。照明と音声が互いに仕事の不満から殴り合ったり、女性メインのメイク部がハサミなどの武器を使って、予想外の強さをみせたりなど、演劇にうとい僕からみてもにやりとしました。

 また、アクションシーンも結構工夫を凝らしています。ドライヤーで相手を拷問するなんて想像もつかなかった。ただ、キックなどは段取りであてないようなふうにみえてしまったので、もっと泥臭いアクションだったらポイントが高かったかな。それでも、トイレからの襲撃とか、これまで観たことのないものもあり、興奮かつ笑えました。

 あまりにも奇想天外なアイデア勝負でリアルさはゼロです。それだけに、アクションをもっとふくらましてくれたらよかったのに、巴川の過去話から、エンタメ、演劇の素晴らしさという泣かせ、感動路線に走ってしまったのが残念。このへんは次にどうなるのか観客も容易に想像できて、目新しさがありませんでした。まあ、最後のクレジットに演劇をリスペクトしているみたいな文言があったので、感動要素をいれたのでしょうけどそのへんがもったいない。

 主演の小澤をはじめ、手賀沼、女性バイトの有野(濱尾咲綺)、巴川と過去の因縁のある若手スタッフの小森(石崎なつみ)ら若手俳優の体を張った演技は素直に楽しめます。一方、長谷川、浅野、石倉三郎といったベテランも楽しそうに加わってます。低予算をカバーするアイデアで勝負していますが、好き嫌いは分かれそうな作品でした。
posted by 映画好きパパ at 06:50 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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