作品情報 2022年フランス映画 監督:リュドヴィック・ブケルマ、ゾラン・ブケルマ 出演:マリナ・フォイス、カド・メラッド、ジャン=パスカル・ザディ 上映時間87分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:新宿シネマカリテ 2023年劇場鑑賞289本
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【ストーリー】
海水浴客でにぎわうフランスの小さな漁村。海上憲兵隊のマジャ(マリナ・フォイス)は真面目だが、事件のほとんど起きずに退屈な日々を過ごしてきた。定年まであと数日に迫ったとき、サーフィンにでた男性が行方不明になる。パトロールにでたマジャは巨大なサメを目撃する。
過去、サメがあらわれたことがなく、上司や町の人はマジャのいうことを信じない。だが、行方不明の男性のサメに食いちぎられた遺体が発見され、村は大騒ぎになる。マジャの夫のティエリー(カド・メラッド)は、定年まであとわずかな危険な任務を避けるように頼むが、マジャは解決に執念を燃やす。ようやくサメの捕獲に成功したマジャを村中が英雄のようにもてはやすのだが…
【感想】
サメ映画というと若い女性かカップルが犠牲になるのが相場ですが、なぜか本作では初老のおっさんばかり。若い女性の水着シーンが無いという時点でまずびっくり。また、なかなかサメの姿を見せないというのはジョーズ以来の伝統ですが、犠牲者が食いちぎられるシーンもでてこないので、その分でも肩透かしです。
さらに、現代的だと思うのが英雄のようにもてはやされたマジャですが、捕獲したサメが逃げ出し、新たな犠牲者がでるということ。普通は敵役がやるような行動をヒロインがやってしまう。そのため、ネットでマジャのせいだと大炎上。村の英雄から一転村八分になり、遺族に襲われてぼこぼこにされたりします。
一方で、謎の憲兵隊の歌(吹き替えで観たのですが)に力を入れていたり、マジャは美魔女なのに夫のティエリーは禿、デブのおっさんで夫婦の会話はかみ合わないし、妙なところでギャグをぶっこんできます。シリアスとギャグ双方が唐突に入ってくるので、こちらの感情も落ち着きません。
それでも中年女性が主人公で、夫も冴えないおっさんというパニック映画はフランス映画らしい。邦画やハリウッドではなかなか考えにくい。現実的に考えれば、田舎の現場の責任者は冴えない中年の可能性が高いわけですから納得できます。役に立つのだか立たないのだか分からない憲兵隊員たちをはじめ、マジャを含めてスカッとヒーロー、ヒロインになれないのもリアルっぽい。そういう映画を望みなら、ジェイソン・ステイサムがサメをやっつける「MEG2」を見ていればいいわけですものね。
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