作品情報 2021年イラン映画 監督:パナー・パナヒ 出演:モハマド・ハッサン・マージュニ、パンテア・パナヒハ、ラヤン・サルアク 上映時間93分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2023年劇場鑑賞308本
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【ストーリー】
1台の車で旅行する一家。幼い次男(ラヤン・サルアク)は遠くまで旅行することで大喜びだが、両親(モハマド・ハッサン・マージュニ、パンテア・パナヒハ)とハイティーンの兄(アミン・シミアル)の表情は暗い。さらに連れている老犬の様子もよくない。
次男の携帯電話を取り上げて埋めるなど、追跡されるのを恐れる両親と兄だが、次男はその様子に気づかず、わがまま言い放題。やがて道は都市部からどんどん田舎へと向かっていき…
【感想】
監督のインタビューによると、あえて一家が旅をする理由はふせたそう。ただ、このままではイラン社会では生活できず、兄を逃亡させるための旅のようですが。感想を読むと、経済問題、兵役からの脱出、兄がLGBT当事者だったなどさまざまな説がでています。しかし、監督はこれという1つの問題でなく、体制に順応しないとダメな、今のイランの生きづらさを描きたかったのでしょう。
父が足のケガで脚にギプスと松葉杖というのも何らかの象徴かもしれません。父が運転できないため、兄と母とで交代で運転します。イスラム圏だと父親の権力が絶大な家父長制の家族を思い出しますが、本作では父親のケガがあり、そうした印象が薄い。このへんも作り手の狙いなんでしょう。
イランの荒地を走る車はトヨタ車なのか、頑丈に駆け抜けます。途中で会う人も警戒する大人たちと違い、次男の天真爛漫の様子はちょっとうざいし、大げさな演技でもあるけれどついつい目がいってしまいます。また、田舎の部分の星空をはじめとする美しい風景、遠景長回しの撮影がなんともあっていて、不思議な感覚を呼び起こします。
パナー・パナヒ監督はイランの巨匠ジャファル・パナヒ監督の長男だそうで、そのことが宣伝文句にもなってます。ただ、ジャファル監督は「オフサイドガールズ」「ある女優の不在」といったイランでの女性のあり方を描いた作品が印象的なので、わざわざ
親子だと宣伝するのはかえって二世タレントの売り出しのようで鼻につきました。
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