作品情報 2022年韓国映画 監督:イ・イルヒョン 出演:イ・ソンミン、ナム・ジュヒョク、チョン・マンシク 上映時間128分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2023年劇場鑑賞309本
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【ストーリー】
ハン・ピルジュ(イ・ソンミン)は80代だがファミレスでバイトしている。いよいよ引退となったとき、バイト仲間の若者ファン・インギュ(ナム・ジュヒョク)に奇妙なバイトを頼み込む。最新型の真っ赤なポルシェを借りたので、それを運転して指定の場所に連れて行ってほしいというのだ。
何も知らないインギュが病院まで連れていくと、ピルジュは入院患者のベクジンを射殺した。しかも監視カメラに写っていた若い男=インギュが犯人として公開捜査されてしまった。怒るインギュに、ピルジュは引き続き運転手を務めれば自分が無理やり脅したと言うが、警察に通報するならお前が犯人だと言ってやると脅す。ピルジュは植民地時代に家族を全員失っており、その復讐を計画していたのだ。
【感想】
オリジナルは認知症の設定がうまくきいていましたが、本作ではあまりいかされていなかった。また、幼いピルジュの父は冤罪で日本軍に拷問死、兄は強制労働で日本の炭鉱で事故死、姉は従軍慰安婦になった後自殺と、反日のオンパレード。日本嫌いの文在寅政権下での作品だからでしょう。ピルジュは日本軍に協力した4人の韓国人と旧日本軍の憲兵隊長に復讐しようとしたのでした。
従軍慰安婦の史実以前に日本の描写があまりにもトンでもで苦笑するしかありませんでした。日本の元憲兵隊長も韓国人俳優のパク・ピョンホを起用しているため、日本語ネイティブには聞こえなかったし。個人的に気になったのは、ピルジュの一家が離散したのは1942年で、映画の設定が2014年ですから、子どもだったピルジュはともかく、復讐対象者は100歳近い年齢のはずで、どうみてもそんなに年をとっているようにみえない。
復讐対象者の一人、チドク将軍(パク・クニョン)は朝鮮戦争の英雄という設定で、劇中、朝鮮戦争のほうが日本の植民地時代よりも死者が多いと熱弁をふるいますが、これも南北融和したい文政権下では悪役にいわせることで、真実味を打ち消そうとしているのでしょうね。このほか、各悪役は現代パートでも親日的、反共産党的発言に終始していました。
ファミレスでピルジュがフレディ、インギュがジェイソンとホラー映画の主人公のニックネームで年の差を超えた親友づきあいするところとか、最後の復讐相手の意外な正体とかところどころ悪くなかったのですけどねえ。また、まだ50代のイ・ソンミンが80代になりきっているのは役者の凄みを感じさせました。
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