作品情報 2023年日本映画 監督:内村光良 出演:島雄こなつ、内村光良、倉島颯良 上映時間47分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2023年劇場鑑賞342本
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【ストーリー】
人吉高校ダンス部のエース、川辺夏子(島雄こなつ)は将来、ダンサーになることが夢だった。東京でダンスに挑戦したいと思うが、市役所勤めで人吉復興に苦労している父親の秋人(内村光良)に言い出せなかった。
いよいよ3年生となり、町の復興イベントでダンスを披露する夏子たち。将来に悩むなか、親友でダンス部部長の結衣(倉島颯良)と同じ相手(吉川康太)を好きになったことを知り…
【感想】
内村の人吉愛があふれ、ダンス部員などエキストラには地元の人たちが多数参加しています。また、島雄こなつは内村のバラエティ「世界の果てまでイッテQ!」のダンス部企画に参加したのが縁で起用され、今回が映画初出演。硬いところをみせており、それらを合わせると前半はちょっと劇映画というより丁寧な自治体の町おこし映画のようにみえました。また、内村が監督を務めているからか、ムロツヨシ、北村一輝、松重豊といったベテラン俳優たちがちょい役で出ているのも、いかにもという感じでした。
しかし、高校生の躍動感あふれるダンスシーンはやはり心をうちます。特に、災害被害を受けた故郷を蘇らせようという思い、自分の将来のための思いなどさまざまな思いがこもっていることが観客に伝わり、クライマックスのダンスシーンだけでなく、エンディングロールの地元の人たちも登場したダンスシーンは感動的。
カノンをアレンジしたダンスは本当に素敵で、熊本の美しい自然、寂れたけど懸命に生きている町の人々にのせて、よく映えています。このダンスシーンだけでも動画で公開してくれたら非常にうれしいのになあ。
監督、脚本も務めた内村は、前作の「金メダル男」では自ら主演を務めましたが、本作では脇役にひいており、夏子の青春にうまくフォーカスされていました。長編映画や連ドラにしてもおかしくないテーマを、すっぱり中編にしたというのも英断。この後の夏子たちがどうなったのか、想像する余韻ができました。小規模上映ですが、夏の終わりにふさわしい作品でした。しかし、短編とはいえ公式サイトもまともにないのはどうよ。
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