2023年11月04日

絆のものがたり〜心と心を結ぶもの

 東北各県を舞台に絆をテーマにしたオムニバスですが、意外にも東日本大震災関係は
1つしかありませんでした。丁寧で各監督が映像や演出に工夫を凝らしていますが、どうしてもオムニバスということもあり印象が薄かった。

 作品情報 2023年日本映画 監督:福田浩之、磯部鉄平、犬童一利、濱田未乘、曽根剛 出演:松浦祐也、山口紗弥加、佐藤二朗 上映時間80分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷  2023年劇場鑑賞376本



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
【ストーリー】
 震災から10年たち津波で親友を失ったユメ(箭内夢菜)とソノ( 園田あいか)も20歳となった。ユメは故郷を離れて東京で就職を決め、10年間行けなかった親友を失った海へいくことにする(宇宙にたった2人)。

 離婚して山形の田舎町に戻ってきた夕佳里(橋本マナミ)。母親(大島蓉子)をはじめ噂好きでウェットな人間関係に辟易するなか、町で初めてのコロナ患者がでたのと噂が広まる。ぎすぎすした町の雰囲気に夕佳里も呑み込まれていく(この町の)。

 【感想】
 「宇宙でたった2人」は福島を舞台にした理由がわかりますし、10数分の短編に震災で友人を失った若い女性の思いを丹念にすくいとり、しっとりとした作品です。5編のなかでは一番ウェルメイドでお気に入り。箭内の垢抜けないスタイルともじもじした仕草が、田舎町にとらわれた女の子をよくあらわしていますし、海への思い、ふるさとへの思いがよくわかりました。

 ただ、残りの作品は別に舞台がどこでもいいような気がしました。「この町の」はコロナ禍での閉鎖的な町ではどこでもあったような事象。人間の嫌な部分をきちんと描いていますが、むしろご当地映画とすれば、こういうテーマはふさわしくないのでは。

 このほか、秋田・岩手を舞台にした「リフレインの鼓動」は若い女性(工藤綾乃)にまつわる非常に幻想的な作品で、雪の積もった風景が良く似合います。ただ、あえてこの地域を舞台にしなくても雪国ではどこでもよさそう。また、宮城を舞台にした「遅い花」は売れない芸人コンビにダイアンの2人が起用されてますが、宮城だったらサンドイッチマンを起用すれば良いのにと思ってしまいました。「変わらない。変われない。それでも、」は妻(山口紗弥加)を自死で失った夫(松浦祐也)の話。松浦が直前に観た「リゾートバイト」と役柄が違いすぎたのは印象的ですが、これまた夫婦の失われた絆の話を東北で舞台にする必然性がみえませんでした。


 まあ、まだ無名の監督たちが、それなりに名の通ったキャストで思い思いに作ったということでは、将来の大監督の作品かもしれないので見て損はないかもしれません。それぞれ方向性の違う作品が5本もあれば、少なくとも1本はお気に入りの作品に会えるかも知れませんし。
posted by 映画好きパパ at 06:25 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。