作品情報 2023年日本映画 監督:久万真路 出演:小野武彦、宮崎美子、貫地谷しほり 上映時間107分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:シネマ・ジャック&ベティ 2023年劇場鑑賞384本
【ストーリー】
税理士の春山秀夫(小野武彦)は家事も一切やらない昭和のオヤジ。妻の喜代子(宮崎美子)がシェアハウスの経営をしていることにも、儲からないのになぜやるんだと脾摘的に見ている。
ところが、喜代子が事故にあって入院することに。秀夫は喜代子に変わってシェアハウスの管理人もすることになったが、自称22歳のキャバ嬢・美穂(貫地谷しほり)、中国人のけたたましい中年女性ワン・チン(小山萌子)、秀夫の甥で引きこもりの小池一男(大塚ヒロタ)など年齢、性別、国籍もばらばらな入居者たちと衝突ばかり。そんな秀夫を喜代子は心配するのだが…
【感想】
カネばかりで若者や外国人に偏見を持つ秀夫は典型的な昭和の男。しかし、最初はバカにしていた入居者たちの事情が徐々に判っているにつれ、自分の問題点を反省、改善しようというのはフィクションの世界とはいえすごいこと。高齢になったら頭が硬くなる人が多い中、人間、いくつになっても成長するのかと感心しました。
その秀夫と入居者たちの世代間、ジェンダーギャップから起きるエピソードはクスリと笑えるものも結構あります。また、本国に幼い息子を残してきたワンをはじめ、入居者たちのヒューマン的なエピソードが短い上映時間なのにきちっとまとまっているのも巧い脚本です。もともとは青年座の演劇だそうで、映画も基本的にはシェアハウスの中でのシーンが多く、会話劇の巧みさやちょっと心が温まる展開が特徴となります。
脚本、プロデューサーの岩瀬顕子は入居者の一人としても演じており、多才ぶりを発揮。もとの演劇はみていないですけど、人間の細かな行動、気持ちの揺れをうまくすくいあげています。貫地谷以外の入居者4人は有名な俳優ではありませんが、その分、いかにも実際にありそうな話だと思わせてくれます。
僕の子供のころのドラマ「大都会」や本人としてもブレイクした「踊る大捜査線」など、小野の顔はお茶の間でもおなじみですが、80歳を超えての初主演というのもすごい。堂々たる主演ぶりを頼ませてくれました。宮崎、貫地谷といったベテランが脇を支えており、手堅い作品に仕上がっていました。上映館数が少ないのがもったいない。
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