作品情報 2023年フランス映画 監督:フランソワーズ・オゾン 出演:ナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール、イザベル・ユペール 上映時間103分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2023年劇場鑑賞386本
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【ストーリー】
1930年代のパリで有名プロデューサーが豪勢な屋敷で何者かに殺される。容疑者に浮上した売れない女優のマドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)は、屋敷で襲われそうになり反撃して逃げただけだった。しかし、警察や治安判事のラビュセ(ファブリス・ルキーニ)はマドレーヌのいうことを聞かず、彼女を犯人と決めつける。
マドレーヌのルームメートで駆け出し弁護士のポーリーヌ(レベッカ・マルデール)は一計を案じ、犯行を認めたうえで正当防衛を主張。貞操を守ろうと命がけで戦ったとして大人気となり、判決も無罪。映画や劇の出演依頼が次々と舞い込み、ポーリーヌも敏腕弁護士として高い評価を受けた。ところが、真犯人で落ち目の女優オデット(イザベル・ユペール)が現れ、自分の犯行を返せとゆすってくる。こまった二人は…。
【感想】
シリアスものも得意なオゾン監督ですが、非常に軽妙なコメディになっています。警官も治安判事も頭からマドレーヌを犯人と決めつけるのは女性蔑視の現れ。このほか、いくつか女性蔑視をする登場人物がでてきて、逆に虐げられていた女性たちは彼女の言動をもとに男たちに仕返しをするというのは、現在のMeTooにも通じる内容です。
ただ、犯罪自体は非常にシンプルなもので、ミステリー的な謎解きはありません。裁判もコミカルに描かれているため、テンポの良さとあいまり、物語の流れに身をまかせて賢い2人の女性とバカな男たちの右往左往する様子をたのしむだけでいいでしょう。
オデットが現れてからは女同士の戦いになるかと思いきや、結構、あっさりとした展開。むしろ、マドレーヌの恋人のアンドレ(エドワ―ル・スルピス)と彼の富豪の父親(アンドレ・デュソリエ)をめぐる部分のほうが複雑になっています。まあ、イザベル・ユペールの貫禄ある悪女ぶりを楽しめれば良いというこでしょうか。
1930年代を舞台にしたことで、当時のファッションや美術などは堪能できます。マドレーヌとポーリーヌの美人ぶりもフランス映画ぽくて良きかな。エピローグで各登場人物のその後を新聞見出しで伝えるといういかにもというふうになっていますが、かならずしも因果応報、勧善懲悪でなかったのがちょっと意外でした。
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