2023年11月12日

配信犯罪

 世界的に問題となっているネットでの犯罪ライブ配信。韓国では「n番部屋事件」という女性に暴行する動画の配信犯罪が社会問題になりましたが、それを彷彿とさせる作品。結末は正直びっくりしました。

 作品情報 2022年韓国映画 監督:チェ・ジュヨン 出演:チェ・ジュヨン、パク・ソンホ、キム・ヒジョン 上映時間90分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿  2023年劇場鑑賞388本



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 【ストーリー】
 フリーのプロデューサー、ドンジュ(パク・ソンホ)は、友人から違法配信犯罪サイトのリンクを送られたことがばれ、恋人のスジン(キム・ヒジョン)と喧嘩になる。就職活動もうまくいかずに腐っていたドンジュのパソコンで、違法配信犯罪サイトからライブ中継が始まる。

 なんとスジンがドンジュの就職を頼みに訪れた先で睡眠薬を飲まされ、犠牲者になろうとしていたのだ。ジェントルマン(チェ・ジュヨン)と名乗る配信者は、最も高い投げ銭をした視聴者のリクエスト通りのことをスジンにすると告げる。ドンジュは何とかスジンを助け出そうと奔走するのだが…

 【感想】
 警察に通報しても「被害届を出してくれ」というお役所仕事で目の前のスジンの危機には間に合わないし、ジェントルマンにPCをハッキングされて、ドンジュの様子はまるばれだし、いったいどうやって救出できるか。大半が画面越しのジェントルマンとドンジュのやり取りという「SEARCH サーチ」をはじめとする最近流行している映画の亜流と思いました。しかし、結構社会派チックな部分があるのが特徴。

 ジェントルマンが悪いのはもちろん、ライブ配信の視聴者がドンジュの必死な様子をみてもだれも通報しようとしないのはたちが悪い。警察も突発的な動きに対応できない。実際に起きた同様の事件「n番部屋事件」でも、大勢利用者がいたのに警察に通報しようとしないし、通報されても警察の動きが鈍くて被害が拡大したわけで、うまく現実の嫌なところを反映しています。

 G指定なのであまり露骨なシーンはありませんが、スジンがどんなひどい目に合うかドンジュでなくても気になるような演出。一方で、ワンシチュエーションではさすがにたいへんだったのか、ちょっとテンポを落とすような場面も時々あり、そこはちょっと残念でした。それでも、ラストは本当に驚いて、娯楽と社会派を噛み合わせたいい落とし方に。

 なんといってもチェ・ジュヨンの張り付いたような笑顔とバカ丁寧な脅迫が観ているこちらをイライラさせることに成功。熱血的なドンジュが短絡的な解決法をとろうとして失敗ばかりというのは好対照です。ただ、スジンがちょっと派手めな美人だったので、ここで清楚系の女優を起用すれば、より深みがでたのにともおもいました。
posted by 映画好きパパ at 19:00 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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