作品情報 2023年日本映画ドキュメンタリー 監督:山本真子 上映時間90分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:六本木ヒルズ 2023年上映会鑑賞1本
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【感想】
現在、社会的養護の子供たちは4万⒍000人に上り、国が把握していない分をいれるとさらに多いと推定されますが、満足な補助を受けていません。親のいない子が多い印象を受けますが、実際には虐待を受けた子どもたちが多い。施設や里親での生活に満足している子どももいますが、入居者や職員からひどい目に遭ったケースもあります。いずれにせよ18歳になったら施設をでていかなければならないなど厳しい立場に置かれています。来年から法改正で18歳以上でも施設に一部いられることが可能になりますが、大学進学率も低く、大変なのが現状です。
映画は現在、70人の当事者が短いメッセージを発信しているほか、虐待親との絶縁を考えている大学生のミズキさん、ネグレクトで中学生のころから性風俗に携わったアヤさんのロングインタビューがあります。特にミズキさんにカメラは寄り添って、現在住んでいる関西から親のいる東北まで一緒に行動しながら揺れる心情を収めています。
内容はそれぞれ非常に考えさせられます。ショートメッセージで「ずっと死にたかった。でもこの先の世界を見てみたかった」という言葉が僕には突き刺さりました。また、大人になっても虐待を受けたトラウマが消えないという叫びも、大人の一人としてつらくてなりません。加藤登紀子の主題歌、一青窈の挿入歌も非常にエモーショナルです。
今なお増え続ける児童虐待やコロナ禍で孤立しがちな社会養護の子供たちに何ができるのか、一人ひとりが真剣に考える機会になればと思っています。公式サイトで全編を無料公開されていますので、ぜひ観てほしい作品です。
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