2023年11月23日

駒田蒸留所にようこそ

 「花咲くいろは」「SHIROBAKO」などお仕事アニメが得意なP.A.WORKSの新作。クラフトウイスキーという僕の知らない世界を描いており、丁寧な仕事だと思いますけれど、ちょっとストーリーがありがちすぎなのが合いませんでした。

 作品情報 2023年日本映画アニメ 監督:吉原正行 声の出演:早見沙織、小野賢章、内田真礼 上映時間91分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎  2023年劇場鑑賞402本



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村



 【ストーリー】
 ネットニュースの新人記者、高橋光太郎(小野賢章)は上司の安元(細谷佳正)から長野県の小さなクラフトウイスキーメーカーの若き社長、駒田琉生(早見沙織)の密着取材を命じられる。

 琉生は父親の滉(堀内賢雄)の急死で大学を中退して家業を継ぎ、オリジナルブレンドのウイスキーをヒットさせていた。だが、10年前の地震で原酒が失われた幻のウイスキー「独楽」復活のために多額の投資をして、会社は経営難。さらに本来家を継ぐはずだった兄の圭(中村悠一)は滉と喧嘩して家を飛び出しており、家族もバラバラになっていた。「独楽」復活で家業も家族も再生しようとする琉生の努力に光太郎も感化されていく…

 【感想】
 ウイスキーはバーボン、スコッチやサントリーは飲むけれど、クラフトウイスキーの世界がこんなに奥深いとはまったく知りませんでした。長野の自然や新鮮な水ともあいまって、ウイスキーが醸造される様子をみていると、飲んでみたくなります。

 ただ、ストーリーは平板。光太郎目線で物語が進みますが、当初の光太郎のやる気のなさが社会人としてはあり得ないレベルでイライラしました。いかに仕事に情熱を燃やさないとはいえ、会社でも取材先でも露骨に無能ぶりを見せつけるというのはちょっと信じられない。琉生が聖人のような性格だからいいけれど、普通だったら猛抗議して担当者を変えてもらうでしょう。

 また、その琉生が聖人のような性格ということも、物語の深みをなくしています。家業や家族についての悩みはあるのですがテンプレ通り、解決に向かっての手法も想像の範疇を超えません。彼女に限らず、彼女の同級生で酒造りの相棒である河端朋子(内田真礼)、工場の頑固職人の東海林(辻親八)ら登場人物は善人ばかり。圭も方向性が違うだけで酒造りと家族への愛情は変わらないというのも、良かったですねとしかいいようがありません。まあ、光太郎の恋愛みたいなノイズを入れなかったのは評価しますけれど。
 
 一線級の声優をずらりとそろえているので演技は安心て聴いていられますし、自然豊かな各地の醸造所の様子など美術もさすがP.A.WORKS。早見のバラード調の主題歌も心に残ります。でもせっかくだったらテレビアニメでじっくりみたい題材でありました。
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。