2023年11月26日

蟻の王

 1960年代のイタリアで同性愛の男性が教唆罪で逮捕された事件の映画化。演出が平板のうえ分かりにくいし、主人公は今の感覚だとアカハラ、パワハラオヤジで全然合いませんでした。

 作品情報 2022年イタリア映画 監督:ジャンニ・アメリオ 出演:ルイジ・ロ・カーショ、エリオ・ジェルマーノ、レオナルド・マルテーゼ 上映時間140分 評価:★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい  2023年劇場鑑賞407本



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 【ストーリー】
 1965年、イタリアの詩人で蟻についての研究でも知られるアルド・ブライバンティ(ルイジ・ロ・カーショ)は教え子の青年エットレ(レオナルド・マルテーゼ)と恋仲になるが、
警察に逮捕され、エットレは精神病院に送られる。

 共産党系の新聞記者エンニオ(エリオ・ジェルマーノ)は事件の取材をしていくうちに、同性愛弾圧はファシスト政権時代に作られた法律で、アルドは釈放されるべきとの記事を書いていくのだが…

 【感想】
 イタリアやフランスなど欧州諸国では同性愛は第二次大戦後も禁じられ、違反すれば逮捕されました。本件は同性愛そのものでなく、教唆罪を初めて適用するという国家が少数派を弾圧しようとすればあらゆる手段を使ってくる恐ろしさを描いています。

 ただ、アルドとエットレの出会いのシーンが突然入ってきて分かりにくいし、しかもアルドはエットレの兄リカルド(ダビデ・ベッチ)とも関係をもっていて性にだらしがない。しかも、演劇を教えますが高圧的で裁判では検察側から教師の権力をもって関係をせまったケースがあると指摘されます。アルドに同情しにくいし、当時の時代背景を考えるとやむを得ないという気持ちもありました。

 エンニオのパートも、共産党の新聞なのに周囲の理解がなく彼が孤立していく状況が描かれていますけれど、エンニオ自身が上司に黙って記事を掲載しようとするなど、社会人としていかがなことかという描き方。あまりノレないまま淡々と話は続きます。

 精神病院の電気ショック治療など今では考えられないシーンもありますけど、社会の不寛容も当時の時代性によるもので、現代につながるようにはあまり見えませんでした。クライマックスのアイーダのような音楽の使い方はさすがだと思いましたけど、全般的に集中力がそがれてしまいました。 
posted by 映画好きパパ at 06:57 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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