2023年11月27日

OUT

 品川ヒロシ監督のヤンキー映画の快作「ドロップ」(2008年)の続編的な作品ですが、前作を観ていなくても大丈夫。主人公の井口役は水嶋ヒロから倉悠貴にバトンタッチしています。

 作品情報 2023年日本映画 監督:品川ヒロシ 出演:倉悠貴、醍醐虎汰朗、与田祐希 上映時間129分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー  2023年劇場鑑賞409本



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村


 【ストーリー】
 狛江の狂犬と呼ばれた井口達也(倉悠貴)は少年院を出所したが、保護観察中であと1回でも問題をおこせば逆戻りしてしまう。千葉の田舎町で焼肉屋をしている叔父夫婦(杉本哲太、渡辺満里奈)が身元引受人になり、焼肉屋でバイトをしていた。


 ところが、ひょんなことから地元の暴走族「斬人」(きりひと)の副総長、安倍要(水上恒司)と衝突。喧嘩ができないため、強引に相撲に持ち込んで勝ったことから気に入られる。要にたまり場のボウリング場に連れられ「斬人」の総長、丹沢敦司(醍醐虎汰朗)らに紹介されたが、そこでも一触即発 の状況に。そこに丹沢らも一目置くボウリング場の店員、皆川千紘(与田祐希)が割って入り、井口の度胸の良さから丹沢とも友達になる。そのころ、半ぐれ集団の爆羅漢(ばくらかん)が切人をつぶそうと卑怯な手段で挑発してきて…


 【感想】
 バカではクズではない喧嘩に強い主人公が仲間とともに敵対する悪徳勢力をやっつけるという超オーソドックスな展開。ヤンキー映画にしては珍しく学校が舞台になっていないのと、ヒロイン役の千紘に見せ場が多いのが特徴でしょうか。ところどころ原作マンガの画像が入るのもテンポにあっていて気になりません。


 監督作も増えてきた品川ヒロシはさすがに手慣れたもの。若手中心の俳優たちを生き生きと演じさせています。最初は対立していたつわものたちが拳を通じて友情を結ぶなんてまさに王道。一方、爆羅漢のリーダー下原一雅(宮澤佑)らはとことんあくどく、卑怯な作戦でも喧嘩を我慢しなければならない井口のフラストレーションが観ているこちらにも伝わり、クライマックスの井口、丹沢らの活躍に胸がすっとします。


 アクションコーディネーターも「Gメン」「オカルトの森へようこそ」など最近のスマッシュヒットしたアクションを手掛けている富田稔ということで、派手な大技は少ないけれど、各キャラクターのテイストにあったアクションは小気味がいい。井口と安倍の必殺技論議とか、にやにやして楽しめました。


 倉は同時期公開の「こいびとのみつけかた」の冴えない少年とはまったく違う熱血バカヤンキーになり切っています。また、女性みたいな容姿ながら暴走族のトップとして怒らせたら死ぬほど怖い丹沢に、これまた今までの役柄とはイメージの違う醍醐がはまっています。与田の高校生姿も新鮮。嫌味な刑事にシソンヌのじろうなど、芸人をところどころに使った配役もあっていました。手堅いヤンキー映画として楽しめます。


posted by 映画好きパパ at 06:07 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。