作品情報 2023年韓国映画 監督:イ・ヘヨン 出演:ソル・ギョング、イ・ハニ、パク・ソダム 上映時間133分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2023年劇場鑑賞410本
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【ストーリー】
1933年の京城(ソウル)。抗日組織「黒色団」は新任の朝鮮総督・山形大将(コ・インボム)の暗殺計画をたてていた。山形の警護隊長・高原(パク・ヘス)は朝鮮総督府内部にユリョン(幽霊)というコードネームの黒色団のスパイがいることをつかむ。
容疑者として浮かんだのは朝鮮総督府幹部の軍人で日本と朝鮮人の混血の村山淳次(ソル・ギョング)、暗号記録係の女性パク・チャギョン(イ・ハニ)、政務総監の女性秘書、佑璃子(パク・ソダム)ら5人。高原は自分を無実だと証明したければ、ユリョンがだれだか見つけ出せ、さもないと全員処刑すると5人を脅す。果たして…
【感想】
サタデー・フィクションを見たときに思いましたが、抗日戦争で日本に勝った中国と、日本の敗戦まで国家として存在せず独立した後も日本軍出身の大統領が何十年も続いた韓国では状況がまったく違います。韓国の抗日運動は、独立運動のリーダー、金九が「韓国は、日本軍を打ち破ることは一度もなかった。最後まで、日本軍に制圧されたままの解放なんて、結局何もなるまい」と嘆いたほど。従って、韓国の抗日映画はその憂さを晴らすように、ヒーロー、ヒロインが日本軍幹部を暗殺するという荒唐無稽なものが大半で、またかという感じです。
本作も前半のユリョン探しはポイントが高かったのですが、最初は有能そうに見えた高原が実は話を回すためだけの無能ぶりに変わりました。そして、丸腰のユリョンに大勢の日本兵が銃弾を浴びせても一発も当たらないという、あほらしいアクションへと転じていきます。爆発など派手なアクションも新鮮味はなし。
また、ソル・ギョング演じる村山は日韓混血なことを悩んでいますが、これもいかにも作られたような悩みです。もちろん差別はありましたが、洪思翊や李秉武のように陸軍中将まで出世している人もいます。靖国神社には2万人以上の朝鮮出身者がまつられているのですから。主役でありながら彼の使い方は非常にもったいなかった。
映画館での暗号受け渡しや霧の多い場面など、スタイリッシュな前半はとてもワクワクしたし、高原が全員を招集したところまではどうなるのか楽しみだったのですが。あと日本語セリフはがんばっていたとはいえ、高原や山形はやはり日本人俳優が演じるべきだってでしょうね。単純なアクション好きならいいでしょうけど、僕みたいなストーリー重視のファンには合いませんでした。
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