2023年11月30日

コーポ・ア・コーポ

 大阪のおんぼろアパートに住む訳アリの住民たちの交流を描いたヒューマンストーリー。曲者俳優を集めていますが、なんか身近なちょっとした変化で終わっちゃって、印象が薄かった。


 作品情報 2023年日本映画 監督:仁同正明 出演:馬場ふみか、東出昌大、笹野高史 上映時間97分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ  2023年劇場鑑賞412本




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 【ストーリー】
 大阪の下町にあるぼろアパート「コーポ」。住人は束縛する母親(片岡礼子)から逃げてきたフリーターのユリ(馬場ふみか)、スマートな容姿で女性から金品をもらう中条(東出昌大)、血の気が多く女を連れ込んでは喧嘩ばかりの石田(倉悠貴)、部屋で怪しげな性風俗業を営む宮地(笹野高史)など変人ばかり。


 住民同士がまったりと交流する中、アパートの一室で山口という住人が自殺する。彼の死を悼む一方、残された家電をちゃっかり自分のものにしようとする住民たちだったが。


 【感想】
 各登場人物が中心となったオムニバス風の作り。全体的にまったりとした空気が流れる中、家庭や恋人、育った環境など人生の事情を抱えた登場人物たちが前向きに生きていこうという姿は好感を持てます。特に山口の自殺に最初はショックをうけながらも、すぐに家電を自分のものにしようというたくましさは大阪ならではか。


 部屋の壁は薄くて、Hをしていると声が丸聞こえだけど平然と受け流す図太さ。そして、プライベートに踏み込むようで大事な一線は超えない。暇があるとアパート前に椅子を出して座ってだべるつかず離れずの関係というのは、今のぎすぎすした日本人にとってある種の理想といえましょう。こんなぼろアパートにすんでいるのだから金銭的には裕福でないですけれど、やはり人間同士の触れ合いは貴重だと思わされます。


 ただし、それぞれのエピソードが想像の範囲内の者が多く、僕にはいまいちヒットしませんでした。ああ、大変だねとか通り一遍声を掛けるだけで、心のそこまで響かなかったというのでしょうか。現実にこういうしんどい出来事があるのかもしれないけど、それだけ美男美女に生まれればいいじゃんというのが正直なところ。


 馬場は最近、低予算の作品に結構でていて演技の幅が広がっています。倉もほぼ同時期に3本公開されていますが、役柄が全然違う方向なのは楽しい。東出がスーツとネクタイ姿で終始しているのもクスリとします。喫煙シーンが多いのは今のご時世とは一線を画して、時代に取り残されたアパートを象徴しているようでした。
posted by 映画好きパパ at 06:24 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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