作品情報 2023年日本映画 監督:武内英樹 出演:GACKT、二階堂ふみ、杏 上映時間116分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル 2023年劇場鑑賞414本
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【ストーリー】
麻実麗(武内英樹)率いる埼玉解放戦線の活躍によって、東京からの差別を撤廃できた埼玉県民。だが、大宮と浦和の内紛のように地域間の仲が悪い。もう一度埼玉が団結するため、麻実は埼玉を横断する鉄道「武蔵野線」の新設と、埼玉に海を作ることを思いつく。
武蔵野線建設を愛する壇ノ浦百美(二階堂ふみ)に任せ、自らは海に必要な砂浜を和歌山県の白浜に行って持ち帰ろうと決意。だが、嵐のために船は難破。漂着した和歌山で、大阪府知事の嘉祥寺晃(片岡愛之助)が和歌山や滋賀県民を虐待している様子を目撃する。嘉祥寺につかまりそうになったところを、滋賀解放戦線リーダーの桔梗魁(杏)に助けられた麻美は運命的な出会いを感じる…
【感想】
相変わらず県内各地で仲の悪い埼玉県のシーンはそのまま残し、今度は関東は無視して関西に話を移します。正直、東京は先祖代々住んでいる人は少なくて地方から集まっていますが、大阪、京都、神戸などは昔からいる人が多く、劇中にもありましたけど京都なんかはこの間の戦争というと「応仁の乱」についてのこと。地域格差は関西のほうがはるかに大きいでしょう。
メインとなったのは琵琶湖のある滋賀県で、とび太君という交通安全の人型看板がクローズアップされてます。僕はまったく知らなかったのだけど、滋賀をはじめ関西圏の人にとってはあるある、というネタが多かったのでは。個人的には野生のパンダが和歌山にいるというのが一番ツボにはまりました。たこ焼きはじめ粉モノが好きというのも大阪っぽいし、関西弁にいつのまにか乱されてしまうというのもさもありなん。関東人の僕がみても納得できるシーンも結構ありました。甲子園に掛布とかバースとか往年のタイガースの看板があるなど、良くみないと気づかない小ネタもちりばめられています。
GACKT、二階堂ふみの宝塚風衣装と大仰な演技は前作通りですが、杏が滋賀のオスカルとして、同じような芝居をするのには笑いました。前作で活躍した伊勢谷友介が不祥事で本作に出られないのもそれとなくディスってますし、杏は違うものの基本的に滋賀県解放法戦線には滋賀県出身のタレント、片岡は大阪出身で京都市長役の川崎麻世は京都市出身など、ご当地の配役を固めています。大阪府知事の妻である神戸市長役で片岡と実際に夫婦でもある藤原紀香には笑いましたが。
意図的な麻美たちのシーンと、劇中劇として彼らの活躍をラジオで聞いている現在の埼玉県に住む一家(和久井映見、アキラ100%、朝日奈央)という構図は前作と同様。埼玉についても、タワーがないとか、武蔵野線の行く手とか小ネタがたっぷり。関西の話がメインだけど、埼玉をおちょくるのは変わらないよというわけです。確かに来年から渋沢栄一が新1万円札になるから、日本は埼玉にひれ伏すのでしょう。本作は埼玉、滋賀両県知事が協力するなど、行政のバックアップも得たというのが特徴。3作目はあるのでしょうかね。
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