作品情報 2023年日本映画アニメ 監督:百瀬義行 声の出演:寺田心、鈴木梨央、安藤サクラ 上映時間109分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ日比谷 2023年劇場鑑賞451本
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【ストーリー】
少年ラジャー(声・寺田心)は少女アマンダ(鈴木梨央)が産んだ架空の友達=イマジナリーフレンド。アマンダの母、リジ―(安藤サクラ)ら他人はラジャーを見えず、アマンダが独り言をいっているしかみえなかった。
アマンダは想像の世界でラジャーと夢のような冒険をしていた。ある日、ミスター・バンティング(イッセー尾形)と名乗る老人と不気味な少女がアマンダの前に現れる。バンティングはイマジナリーを食べることで不死の命を得ており、ラジャーを襲う。何とか逃げ出したラジャー。やがて人から忘れ去られたイマジナリーたちが図書館の中に作っている街へたどりつくのだが…
【感想】
イマジナリーフレンドとは何か、分かったような分からないような存在のまま終始して、最後までしっくりきませんでした。アマンダの想像の世界で完結し、バンティングがその世界に入ってくるのなら分かるけれど、他のイマジナリーとの交流や現実世界とのシンクロする理屈が分かりにくい。
また、話自体も少女の成長=イマジナリーとの別れになるのかと思いきや、むしろ関係が深まっていくのだから、成長をしていないことになってしまいます。傍から見ればアマンダの行動は不審ですし、バンティングは気持ち悪いしいったい誰に向けて作った作品だろうと思えてなりませんでした。
百瀬監督らスタジオポノックはジブリ出身者が集まったこともあり、キャラデザインはジブリそっくり。美術にも力を入れていて気合の入ったアニメだということがよくわかります。しかし、ジブリのようなセンス・オブ・ワンダー、壮大な世界観というものはなくて、あくまでもアマンダの身の回りの物語。冒頭、アマンダの想像の世界から始まった時はワクワクしたのですけど、キャラクターもどこかでみたふう、展開も結局、こちらの想像の範囲内になってしまい、ワクワク感は冒頭だけでした。
声優も一線級の俳優を使うというジブリ路線を踏襲しています。しかし、正直、安藤サクラがまったく合わなかった。「ゴジラ−1.0」のような肝っ玉母さん風のイメージがあるから、本作の西洋のお母さんというのは合わないのですよね。オリジナルアニメ自体が宮崎、新海、細田といったビッグネーム以外は厳しいのが現状なので、配信とかで海外での挽回を図るしかないのでしょう。欧米の児童文学をアニメ化するというのも、今の時代に受け入れられないのでは。
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