2023年12月29日

スリ・アシィ

 コミック原作、インドネシアのスーパーヒロイン映画で愛国心も含めてお国柄がでています。SFXも含めて大作感はあふれています。シリーズ化前提のようだけど、日本で
みられるのかな。


 作品情報 2022年インドネシア映画 監督:ウピ 出演:ペヴィタ・ピアス、レザ・ラハディアン、クリスティン・ハキム 上映時間133分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷  2023年劇場鑑賞456本 




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 【ストーリー】
 女性格闘家として活躍するアラナ(ペヴィタ・ピアス)は、生まれたときに両親が噴火に巻き込まれてなくなった。孤児院に引き取りに来た裕福な養母サリタ(ジェニー・チャン)に鍛えられて、今や無敗のチャンピオンだったのだ。


 ところが、大企業社長プラヨゴ(スーリヤ・サプトラ)の息子マテオ(ランディ・パンガリラ)に目を付けられて、アラナはマテオをぼこぼこにしたものの、手下たちによってサリタが重傷を負ってしまう。そこでアラナは信じられない力を発揮する。実は古来から人類を苦しめてきた火の女神に対抗するため、善なる女神の力を授かっていたのだ。サリタや彼女の師匠のマリア―二(クリスティン・ハキム)の教えで、アラナはスーパーヒロイン「スリ・アシィ」となり、悪と戦うことになる。


 【感想】
 アメコミものに似ているなと思ったら、1954年にインドネシアでヒットしたコミックが原作。インドネシア初の女性ヒーローで、かつて映画化されたこともあったそう。それが21世紀になって、インドネシア版アメコミ一大シリーズ「BCU」を作ろうというのです。本作でも火の女神の手下の一人をやっつけたに過ぎず、まだまだ敵はいっぱいいます。それでも、本作だけでも楽しめました。ウピ監督は女性だということも、女性アクションを盛り上げてくれます。


 ストーリーは序盤が悪の火の女神による噴火シーンというSFぽいところから始まり、その後は格闘家になったアラナが地下リングで戦ったり、街の金持ちに嫌がらせ受けたりというブルース・リーとか等身大アクションにありそうな展開。一方で金持ちがスラムを地上げしようという社会派になったと思うと、急にアメコミっぽいSFアクションになったりと目まぐるしく話が動きます。善人悪人キャラも何人もでてきますが、それぞれ特徴がある容姿をしており、キャラもたっていて分かりやすい。マリア―二の息子でアラナをサポートするカラ(ディマス・アンガラ)と、孤児院時代いじめられていたのをアラナに救われた幼馴染タングー(ジェフリ・ニコル)のイケメン2人のデコボコな活躍が、ユーモアを吹き込んでくれます。


 物語には意外な(といっても登場人物からいってばればれですが)黒幕がでるのだけど、その黒幕が闇落ちしているところとかもう少し丁寧に描けばよいのに。最後のアクションもようわからんうちに終わってしまったし。といくつか突っ込みどころはあるのだけど、インドネシア版ワンダーウーマンともいうべき、スリ・アシィのアクションは堪能できます。アメコミがごちゃごちゃ他の作品と交わって分かりにくい分、こういうすっきりしたスーパーヒロインものはスカッとしました。

 面白いのはアラナは火の女神のパワーもあり、怒りに我を失ったら正義の女神でなくて火の女神のいうままになってしまうということ。だから、サリタは何度も怒りを抑えるトレーニングをします。でも、本作の悪役のやっていることは本当にむかつくので、見ているこちらも怒りだしそうだし、実際に、アラナはばったばったと悪いやつをボコっているので、怒りを押さえるというのに意味がなかった気もしました。


 CGも結構頑張ってるし、インドネシアのアクションの代名詞といえるイコ・ウワイスのスタントチームも協力しているそう。エンディングロールの途中で、次の作品の前触れシーンがあるという本家アメコミと同じ作り。実は別の主人公で既にBCU作品「グンダラ ライズ・オブ・ヒーロー」は既に作られているそうですが、そちらはシネマート新宿の映画祭のむコレで上映したそうで、存在自体もしらなかった。3作目が日本で公開されるのでしょうか。
posted by 映画好きパパ at 06:09 | Comment(0) | 2023年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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