作品情報 2023年日本映画 監督:岩崎孝正 出演:中村守里、内村遥、指出瑞貴 上映時間71分 評価:★★(五段階) 観賞場所:横浜シネマリン 2023年劇場鑑賞457本
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【感想】
東日本大震災で父親を亡くした理子奈(中村守里)は被災地を撮影していたカメラマンの浩志(川瀬陽太)と知り合い、自らもカメラマンとなる。しかし、広告代理店に勤める知久(内村遥)と結婚し、一人息子の大地(橋口湊)が産まれたため、今は時折夫の会社の撮影を手伝うくらいで育児に専念している。
震災で家族を失った分、理想の家族を作ろうとする理子奈に知久はだんだん疲れてしまう。そして、理子奈とも顔なじみの部下、愛(指出瑞貴)と不倫をはじめてしまい…
【感想】
震災、写真の仕事、理想の家族作り、不倫という4つの素材があまり有機的に結合しておらず、どすんどすんとばらばらに出された感じでした。例えば震災で父を失い家族がバラバラになるというのに絞ればいいのに、それが夫の不倫までいってしまうというのはさすがに話をもりすぎのような印象です。
また、当時10代だった中村はベビーフェイスであり、幼い子供を理想的に育てようとして家族の溝を作っていくという役柄にちょっとそぐわなかった気もしました。若い夫婦だからささいなことがきっかけに溝ができてしまうというのをやりたかったのかもしれませんけど、理子奈も知久もいうことがめちゃくちゃ。普通に離婚裁判をすれば相手からも慰謝料もらえるし、カメラマンだったら親権はとれるだろうにと思いつつ、2人のやりとりにリアル感をうけませんでした。
また、他の脇役も実際にここまでひどい人はいる?といった感じ。理子奈の親友の栄子(tamico)は、不倫されても理子奈に責任があるといいます。こんなの親友って呼べなくない? 同じ男から見ても知久のほうがよっぽどクズだぞ。愛も理子奈の担当でありながら、積極的に知久を誘っていくし、浩志の弟子で理子奈の先輩(満園雄太)も彼女を一方的に責めるし、こんな友人だったらいないほうがマシと思わせるほど。
川瀬陽太が珍しく重みのある渋い中年の役になり切っているほか、大地役の橋口もデビュー作とは思えない名子役です。それだけに、他の面々がいかにもリアル感を受けなかったのでした。まあ、中村は難しい役だったので、本人を鍛えてくれる良い作品に出会ったといえるかもしれません。
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