作品情報 2023年アメリカ映画アニメ 監督:クリス・バック、ファウン・ヴィーラスンソーン 声の出演(吹き替え版):生田絵梨花、福山雅治、山寺宏一 上映時間95分 評価:★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2023年劇場鑑賞458本
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【ストーリー】
17歳の少女アーシャ(声・生田絵梨花)が暮らすロサス王国は、18歳になると国王のマグニフィコ(福山雅治)に願いを預けるという風習があった。マグニフィコは願いを大切に保管して、必要なときに魔法でかなえるというのだ。
アーシャはマグニフィコの弟子になるチャンスがあった。しかし、願いを国王が独占するのでなく、みんなに返すように提案して怒りに触れてしまう。そして100歳の祖父サバ(鹿賀丈史)の願いもかなえられなくなった。失意のアーシャが森にいると空からいたずら好きの星が降りてきて…
【感想】
「ワンス・アポン〜」はディズニーのキャラクター総登場ですし、声優も主役級を使って(ウィッシュもそうですが)豪華に、でも懐かしさで切なくも楽しめました。また、ウィッシュのエンドロールにもディズニーキャラが次々と出てきてしっとりきます。
ただ、ウィッシュは脚本にまったく納得ができません。ロサスは平和な王国で、マグニフィコが夢をスクリーニングしていました。本作の冒頭にマグニフィコが幼いころ、家族が強盗に殺されたことが明かされています。魔法の力で王妃のアマヤ(檀れい)とともに、平和にしようという善良な王様だったのです。ところが、アーシャがすべてをぶち壊します。
まず、「願い」がすべて善良なものと思っていますが、今の社会をみたらどうでしょう。ウクライナや中東では相手を殺すことが願いになっているわけです。冒頭の強盗シーンがなければまだしも、王様がこういう物騒な願いを排除していたわけなのに、アーシャがぶち壊してしまいました。人殺しじゃなくても、金が欲しいとか、女が欲しいとか、物騒な願い事をしている人も多いはず。また、サバは100周年にふさわしく、100歳なんだけど、どうみてもマグニフィコは中年で、彼がこの国を作る前に自分で願いをかなえてろよと言いたくなります。人間の願いの暴走は「ワンダーウーマン1984」で描かれていたのに、そうしたことを一切無視しているのはなあ。
しかし、アーシャがたきつけたため、マグニフィコは暴走を始めます。本来、長年連れ添ったアマヤが止めればいいのに、本気で止めようとしているようにはみえない。増長したマグニフィコは自分の利益のために保存してある願いを悪用しようとします。この辺りはディズニー活劇になってしまうのですが、ラストをみると国を支配したかったアマヤが黒幕で、単純なアーシャを焚きつけて革命を起こしたと考える方がリーズナブルです。
さらに、スターのお陰で動物がしゃべれるようになりましたが、だから何?という感じ。上戸彩とか菅野美穂といった主役級の俳優を動物に割り当ててますけれど、なぜスターが動物をしゃべらせたのか、ところどころで意味があったとはいえ、今後につながるのかと突っ込みたくなります。クマに鹿が食べないでありがとうといったけど、肉食動物は飢え死にしちゃうよ。
中盤まではアーシャの7人の友達やロバのバレンティノ(山寺宏一)など大勢いるキャラもきっちりと整理されていたし、アーシャのポジティブなドジっ子ぶりはチャーミングだったしなかなか良かった。中盤でアーシャが唄うテーマ曲も名曲です。ただ日本語版は伴奏に生田の声量が負けていた気もしましたが。それはさておき、中盤まで期待させて、後半は何だかなあとがっかり続き。クライマックスも今頃こんな展開にするのかと、がっかりしました。
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