2024年01月05日

女優は泣かない

 2023年に観た最後の作品。年末年始は映画をたっぷり見ようと思っていたのですが、体調不良でこの1本だけとなってしまいました。ちょっといい話なのですが、どこかで観たような展開で、まあこんなものかというのが正直なところです。


 作品情報 2023年日本映画 監督:有働佳史 出演:蓮佛美沙子、伊藤万理華、升毅 上映時間117分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい  2023年劇場鑑賞461本




【ストーリー】
 不倫スキャンダルで崖っぷちの女優、園田梨枝(蓮佛美沙子)は自分の再出発をドキュメンタリーにするため、故郷の熊本・荒尾に戻る。だが、撮影クルーは手持ちカメラを持った新米ディレクターの瀬野咲(伊藤万理華)だけ。しかも、台本を作ってきて「演出ですから」とやらせを強要してくる。

しかも咲はホテルもとっておらず、梨枝の実家に泊まればいいと提案する。しかし、梨枝は俳優になるために頑固な父康夫(升毅)と喧嘩別れしており、家族との仲は最悪だった。偶然、拾ったタクシーの運転手が幼馴染の猿渡拓郎(上川周作)だったため、半ば強引に実家に連れてこられるのだが…


 【感想】
 不倫女優に蓮佛という地味目の俳優をキャスティングした製作側の意図はどんなもんでしょうか。どうせならもっと派手目な俳優のほうが、物語に起伏がでると思うのですが、どうしても蓮佛だとどこか良い人、貧乏くじをひいちゃう人のイメージが強いので、我がまま女優というインパクトがないし、そういう場面も少ないのですよね。


 一方、「でもでも」と言い訳ばかり繰り返す咲も、今風のダメな若手業界人を描きたかったのかもしれないけれど、よくあるキャラクター造形であることは否めません。まあ、蓮佛と伊藤という演技力がしっかりしている女優だから良かったものの、逆にこの2人を起用するならもっと意表をついたキャラクターにしても良かった気がします。


 熊本のご当地映画か、不和な家族との関係修復か、新米ディレクターの成長物語か、どれも少しずつふれながら、ゆらゆらと話がさまよっている感じで、今一つストーリーに集中ができません。頑固おやじとの仲については、まさか令和にこんなド定番はしないよなと思った通りになってしまうので、悪くはないのだけど、今更感が。


 荒尾市には行ったことがないのだけど、今にも日本の地方都市という感じ。これもある種の懐かしさがあるとはいえ、荒尾ならではの風景というのが効果的にいかせていません。せっかく阿蘇の雄大な風景をドローンでおさめたのに。いろいろもったいない感じもしつつ、年末にまったりみるのならこんなものかという感じの、町の定食屋で食事をとっているような感覚でした。
posted by 映画好きパパ at 06:07 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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