2024年01月21日

笑いのカイブツ

お笑いを突き詰めようと極限まで走る放送作家のお話。ツチヤタカユキの自伝的小説が原作ですが、世間のことを何も知らなくてもお笑いってできるのかなと思ってしまいました。


 作品情報 2023年日本映画 監督:滝本憲吾 出演:岡山天音、松本穂香、仲野太賀 上映時間116分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ  2024年劇場鑑賞19本




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【ストーリー】
 大阪で母親(片岡礼子)と暮すツチヤタカユキ(岡山天音)は、テレビのバラエティ番組へのネタ投稿に命を燃やし、狭い部屋に閉じこもって1日何百本ものネタを考え、学校にもいかなかった。放送作家志望のタカユキは吉本(作中はもじった別の名称)の劇場で見習いとなるが、回りとコミュニケーションをとれず盗作疑惑をかけられ追い出される。


 失意のタカユキは、売り出し中のコンビ、ベーコンズ(仲野太賀、板橋駿谷)のラジオ、オールナイトジャパンに投稿を続け、ベーコンズの西寺に気に入られる。それをきっかけに上京して、ラジオ番組を手伝うようになるが…


 【感想】
 ツチヤタカユキはリアルでも同じ名前だし、吉本やオールナイトニッポンのオードリーがモデルだとすぐわかります。吉本はどちらかというと悪く書かれているのに、ツチヤは今も吉本で作家をやっていたり、映画にも吉本の芸人が多数出ているのが笑えます。


 狂気的な天才という役柄は岡山にぴったり。パンツ一丁で狭い部屋に苦しみ、文字通り壁に頭を打ち付けながらネタをひねり出す。一方でコミュニケーション能力はゼロ。放送作家といえども笑いの才能以外にチームなのでコミュニケーション能力が必要なのですが、最後までそれがわかりません。その天才がゆえにの悲劇をうまく演じていました。


 ただ、劇中に彼のものらしいネタがいくつかテロップとして流れるのですけど、ほとんどが僕の感性に合わない。監修が令和ロマンなので、彼らと協力して作ったのかな。もともと僕はお笑いに疎いのですが、人生を削ってこういうネタが出てくるというのは非常に人としてのコスパが悪いように思えました。


 不思議なのは天才だからか、反発する凡人がたくさんいる一方、西寺を始め応援する人たちも出てくること。初恋相手ともいえるミカコ(松本穂香)や、ホストのバイトを追い出されたときに知り合ったチンピラホストのピンク(菅田将暉)ら魅力的な面々ばかり。母親も衝突しつつも暖かく見守ってくれてますし。正直、コミュ障でも松本穂香の演技史上トップクラスにかわいいミカコと仲良くなれたら、それだけでも勝ち組に思えました。


 現実にもタカユキが超有名な放送作家というほどでないのがなんともリアル。天才にとって生きにくいのが今の日本なのかもしれません。
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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