作品情報 2024年日本映画 監督:下津優太 出演:古川琴音 松大航也 犬山良子 上映時間89分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 2024年劇場鑑賞30本
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【ストーリー】
祖父母(有福正志、犬山良子)が住む田舎の村に久々に戻った看護学校の孫(古川琴音)は2人の様子がおかしいことに気づく。食事中に突然、ブタの鳴き声をしたり、二階から不審な物音がしているのに無視したり。
幼馴染(松大航也)と再会した孫だが、祖父母からは会うのを禁じられる。さらにエスカレートする祖父母に、孫はとんでもない秘密を見つけてしまう。
【感想】
商業映画デビューとなる下津優太監督が、“日本ホラー映画大賞”の大賞受賞短編を長編化。原案、編集も手上げけています。総合プロデュースはホラーの大御所・清水崇で、彼の一連の「村」シリーズのテイストやアリ・アスター監督の「ミッドサマー」の影響なども感じられます。
序盤は日本の閉鎖的な村の特徴を表しつつ、次第におかしくなる祖父母の不気味な行動がどう広がるのか、ワクワクしながらみていました。「出るぞ、出るぞ」というようなBGMで、ワッと驚かすようなところとか、定番だけど隙なんですよね。祖母役の犬山は演技初挑戦だそうで、わざとだか地なのかわからないヘタウマちっくなところが、良くあっていました。しかし、中盤で祖父母の秘密が明らかになるのですが、清水監督の「呪怨」みたいな恰好に怖いというより失笑。痛そうなシーンもあったのですが、笑える場面のほうが多かった
。
終盤は監督がいろいろやりたかったのでしょうけど、何でこのシーンが出てくるのかよくわからないことが次々とでてきます。不条理ホラーをやりたかったのならば、前半の抑制しるつもねとっとした村社会は不要だし、なんか驚くだろうと思わせるような衝撃シーンをつなげた感じです。せっかく自分の幸せは他人の犠牲のうえに成り立っているというテーマを用意したのだから、そのへんも丹念に積み上げてほしかったです。
本作のMVPは何といっても古川琴音。序盤の祖父母を不審に思うところから、中盤のなぞをあばこうと必死になる様子、そして予告編にもある血のついたスウェットでひたすら歩くシーン、エピローグの笑顔まで、若手でも屈指の演技派ということが納得させられます。ただ、彼女が看護師の卵というのがあまり内容に関係なかったような。
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