作品情報 2019年イタリア映画 監督:ステファノ・チッパーニ 出演:フランチェスコ・ゲギ、ロレンツォ・シスト、アレッサンドロ・ガスマン 上映時間102分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:シネスイッチ銀座 2024年劇場鑑賞39本
ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村
【ストーリー】
イタリアの田舎町に住む高校生ジャック(フランチェスコ・ゲギ)の弟ジョー(ロレンツォ・シスト)はダウン症。幼いころは両親(アレッサンドロ・ガスマン、イザベラ・ラゴネーゼ)に弟は特別な存在と説明されたため、特殊能力を持ったヒーローと信じ込んでいたが、成長すると、時折うざくなってしまう。
町の博物館に行ったジャック一家だが、ジョーが騒ぎを起こしてしまう。偶然、憧れの同級生アリアンナ(アリアンナ・ベケローニ)に出会ったジャックは、ジョーのことを他人のふり。さらに学校で弟は死んだとウソをつく。そのことでトラブルが起きてしまい…
【感想】
女の子2人、男の子2人のティーンの子供たちが両親ともみんな仲良しというイタリアっぽい明るい家庭。そんななか、決して嫌いではないのに時折うざく感じてしまう弟を死んだ存在にしてしまったことから、騒動が起こります。この思春期ならではの家族への複雑な思いをうまく体現しています。
さらに、環境問題などちょっと意識が高くて美人の同級生に対して、田舎町出身を引け目に感じてしまうジャックの初恋がなんとももどかしい。ジャックの叔母で美容師兼バンドをしているドロレス(ロッシ・デ・パルマ)がなんともいえぬ存在感を出しており、両親でもできない恋のアドバイスをしっかりするというのは、イタリアの大家族らしい。日本でも昭和のころはそうだったのでしょうか。
また、ジャックが恰好をつけようと不良っぽいファッションでバンドに打ち込むとか、ゲギが華奢な美少年だけに背伸び感もまたこの年頃の少年らしくていいですね。そして、恰好をつけるために付いたウソでどんどんドツボにはまる。彼が根が優しい少年だけに、見ていて悪化する事態にはらはらしました。
そんななか、ジョーのまっすぐな態度、ジャックを好きな気持ちというのがストレートに伝わってくるのも心地よい。シストもダウン症で映画初出演ですが、本当にナチュラルな存在感で物語を盛り立てます。見終わったあと、心が温まる作品でした。
【2024年に見た映画の最新記事】