作品情報 2022年アイルランド映画 監督:コルム・バレード 出演:キャサリン・クリンチ、キャリー・クロウリー、アンドリュー・ベネット 上映時間95分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2024年劇場鑑賞40本
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【ストーリー】
1981年の夏、アイルランドの9歳の少女コット(キャサリン・クリンチ)は酒とギャンブル好きで乱暴な父親(マイケル・パトリック)にネグレクトされ、寡黙なため学校でも浮いていた。母(ケイト・ニック・チョナナイ)が妊娠したため、母の従妹で田舎で農場を経営しているアイリン(キャリー・クロウリー)とショーン(アンドリュー・ベネット)夫婦のところに預けられることになる。
子供がおらず優しいアイリンに比べ、ショーンはぶっきらぼうで最初は苦手だったが次第に仲良くなる。だが、アイリン夫婦にはある悲しい秘密があった。
【感想】
ベルリン国際映画祭の国際審査員賞グランプリや昨年の米アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされるなど世評も高く、愛と感動の物語かと思いきや、うーんと静かに淡々と話が進むのでちょっと肩透かし。後で知りましたが原題は「An Cailín Ciúin」、英語で「THE QUIET GIRL」なんですね。個人的にはもっと濃厚な味付けの方が好みなんですけれど、この淡泊さが国際的に評価されたのでしょう。
直接的な暴力を受けているわけではないけれど、家族にも友達にもあまり相手にされずに孤独が募り、一人ぼっちでいる少女。田舎の牧場で(といってもコットの家も田舎町ですが)牛の乳しぼりや井戸の水汲みなどの作業で体を動かすとともに、愛情をもったアイリン夫婦に見守れて心が癒されていく様子はみているこちらも癒されていくようです。
といっても粗暴な父だけでなく、田舎特有の嫌味な近所の住人なども登場しコットの生活が幸せで一杯というわけにはならないのですけれど、自分をしっかりと見守っていざとなったら助けてくれる大人がいるというのは心強い。さらに、アイリン夫婦の過去の秘密が次第に明らかになることで、大人である僕ら観客にもじんみりと感動を与えてきます。
アイルランド語独特の響きと光にあふれた田舎の牧場や森の風景も心を癒してくれます。何といっても本作がデビュー作となる子役のキャサリン・クリンチの透明感あふれる存在感が素晴らしい。赤毛のアンと似たものかと最初は思っていたけど、恋も友情もなく、孤独な少女と夫婦の関係にひたすら寄り添う作品は他にあまり思いつかず、良い味出していました。
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