作品情報 2023年日本映画 監督:山本英 出演:橋本愛、仲野太賀、木竜麻生 上映時間127分 評価:★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2024年劇場鑑賞51本
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【ストーリー】
沙苗(橋本愛)はかつて愛していたホストの隼人(水上恒司)を刺して、刑務所に入った過去があった。田舎で林業を営む小泉健太(仲野太賀)には事情を話したうえお見合い結婚をして、今は静かに過ごしている。
ところが、近所に謎めいた若い女性足立よしこ(木竜麻生)が引っ越してきて、なにかと2人に絡んでくる。さらに隼人のことが忘れられないことに気づいた沙苗は…
【感想】
ホストに入れあげた女性が愛についてとうとうと語っても、とちょっとひいてしまいます。金品も貢いだようだし、通常の愛とは違ったレイヤーにあるとしか思えないのに、自分の愛の素晴らしさを力説されても、白けてしまうだけ。映画で見ても嫌な奴なので、実際にいたら近づきたくないタイプ。
一方、健太は仲間から顔で妻を選んだのかというからかいをうけていましたが、そう思わせる配役に橋本の仲野はぴったり。妻が他の男の陰をひきづってなおかつ、一見おだやかに家庭を築こうとする彼の矛盾した存在は、映画的に興味を惹かれました。しかし、よしこや健太の同僚役の美紀(鳴海唯)が2人ともこじらせた存在であり、それに巻き込まれたかのように、健太も壊れていきます。やはり近づきたくない。
愛の業の深さを問う映画というのは最近、減っているだけに真正面から描いたというのはいいでしょう。ただ、隼人に沙苗がそこまではまって、それを愛だと信じている描写がないため、彼女がたんなるメンヘルかここまでの積み重ねがあったかがわかりにくい。共同脚本のイ・ナヨンは、歌舞伎町のリアルなホストや客の姿を描いたドラマ「明日、私は誰かのカノジョ」にも参加しているだけにもったいなかったなあ。
冒頭の橋本の金髪で男を刺す姿は、彼女のパブリックイメージと違うだけに熱演だったと思います。また、朝ドラ「ブギウギ」や「あの花が咲く丘で、きみとまた出会えたら」と、好青年役でブレイク中の水上が、男を騙すホスト役というのも妙にはまっていて面白かった。健太は田舎で林業を営むという設定だけに、もっと田舎のどろどろした閉鎖性を描いてもよかったかもしれません。
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