作品情報 2023年フランス、ベルギー、ロシア、サウジアラビア映画 監督:マイウェン 出演:マイウェン、ジョニー・デップ、メルヴィル・プポー 上映時間116分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2024年劇場鑑賞50本
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【ストーリー】
貧しい出自だが、幼いころから貴族の援助を受けて礼儀作法を教わったジャンヌ(マイウェン)。高級娼婦として働いているときにデュ・バリー伯爵(メルヴィル・プポー)と知り合い、彼の出世のために国王ルイ15世(ジョニー・デップ)に献上させられる。平民を愛人にするわけにいかないので、デュ・バリーと名目上の結婚を行い、デュ・バリー夫人と名づけられた。
ルイ15世の寵愛を受けたジャンヌだが、他の王族や大臣たちからは成り上がりものとして軽蔑されていた。国王側近のラ・ボルド(バンジャマン・ラヴェルネ)や王太子(ディエゴ・ル・フール)の助けを借りてピンチを切り抜けるジャンヌだが、オーストリアからやってきたマリー・アントワネット(ポーリーン・ポールマン)と対立してしまい…。
【感想】
子供のころに観たアニメ「ベルサイユのばら」で、マリー・アントワネットをいじめる悪役との印象が強かったのですが、それ以上のことは知りませんでした。映画でははしょられていますが、国王退任後も数々の浮名を流し、フランス革命のときはイギリス貴族の愛人になっていたましたが、フランスでつかまって処刑されたそう。自分の隠していた財宝を持ち去るために危険なフランスに戻ったとの説もあり、その辺まで映画化されたら面白かったのに。
自分の欲望に忠実で才気煥発なジャンヌが、娼婦からフランスの最高権力者まで成り上がる姿は痛快です。ただ、ルイ15世の昔の愛人だったポンパドール夫人が外交問題でも活躍するのに対して、本作のジャンヌは宝石だの服だのに夢中で、社交界での勢力争いばかり。政治的な意味があまりでなかったのはちょっと残念。
そもそも、ルイ15世がなんでジャンヌをあそこまで寵愛したのかというのも映画ではあまりわからず。マイウェンが監督とヒロインの両方を努めたために、そういう難しいのはすっとばして、女の園の争いに注力したかったのかな。また、宮廷では国王に背中をむけてはいけないので、速足で後ずさりしないとならないなど、フランス王室のおかしな風習の紹介や当時の豪華絢爛な衣装などに力が入っていたようです。デュ・バリー夫人がドレスを着ないで馬を乗り回したというのは颯爽としていました。
マイウェンは47歳なので権力者になったころはいいけれど、ルイ15世とジャンヌが出会ったのは彼女が26歳のときなので、さすがに一目ぼれというのはちょっと苦しかった。ジョニー・デップが貫禄のついた国王役というのには驚きましたが、彼はもう60歳なんですね。それから王室、貴族など登場人物が多くて、頭の中を整理するのに一苦労でした。
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