2024年02月19日

罪と悪

 「ミスティックリバー」を想起させる濃厚な雰囲気で、子役時代も含めて役者はよかったのだけど、脚本がちょっと舌足らず。最後、あれで周囲が納得できるのか理解できませんでした。

 作品情報 2023年日本映画 監督:齊藤勇起 出演:高良健吾、大東駿介、石田卓也 上映時間115分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ座間  2024年劇場鑑賞56本




ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村



 【ストーリー】
 福井県の田舎町で中学生の正樹(石澤柊斗)が殺された。同じサッカー部員で仲良し4人組の春(坂元愛登)、晃(田代輝)、朔(柴崎楓雅)は正樹がなついていた浮浪者(大槻ヒロユキ)が怪しいとにらみ、彼の小屋に押し掛けてもみ合いになる。カッとなった朔がシャベルで殴り殺してしまい、リーダー格の春が罪をかぶり少年院に入所。残りの2人は心に傷を抱えたまま成長した。


 20年後、刑事になった晃(大東駿介)は、町の半グレ集団たちを取り調べようとした際に、先輩刑事の佐藤(椎名桔平)が彼らとつながっているのではと疑惑を持つ。さらに、彼らのリーダーで表向きはスーパーの店長をしている男こそ、少年院に行ってから姿を消していた春(高良健吾)だった。今は農業を営んでいる朔(石田卓也)を含めて、3人の運命の歯車は回りだす。


 【感想】
 藤井道人監督の「デイアンドナイト」を思い出す閉鎖的な田舎町で、過去にとらわれた男たちの血なまぐさい物語。ただし、「デイアンドナイト」と違って本作はひたすら男くさく、主要キャストは男ばかりで春の妻役で守屋茜がちらりと出るくらい。陰鬱なハードボイルドな雰囲気を漂わせています。


 また、過去パートの中学生たちの友情は、いかにも田舎のこのくらいの年代の子供たちということで、明るく能天気に見えるけど、それぞれの家庭の事情もあり、裏ではドロドロというのもうまかった。逆に厳しい生活をしていても、友情だけは尊いというこの年代の特徴をうまくだしています。現代パート、過去パートとも役者は良い雰囲気でした。


 ただ、脚本が今一つこなれません。佐藤の劇中での存在価値も今一つわからないし、笠原(佐藤浩市)率いるヤクザと、春たち半ぐれはもめるのですが、そんな簡単に収まるのかというのも最後までわかりません。また、重要そうなシーン、登場人物がそうでなかったり、逆のケースもあって戸惑いました。ラストも観客を驚かせるでしょうけど、劇中の登場人物がああいう落とし前で納得するのかがかなり疑問でした。


 それでも齊藤監督の初監督作品にこれだけの男くさいキャストが集まるのはすごい。福井ロケということで、この前にみたレディ加賀ともども北陸を応援できる意味はありそう。また、雰囲気はすごい浸れるので、頭の中で自分なりのストーリーを妄想するのにも適していました。
posted by 映画好きパパ at 06:17 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。