2024年03月02日

ソウルメイト

幼馴染の女性2人の強い絆を描きました。中国映画の韓国リメイクですが、韓国映画のほうがウェルメイドにできていて、心情的にはこっちのほうがお気に入り。



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 作品情報 2023年韓国映画 監督:ミン・ヨングン 出演:キム・ダミ、チョン・ソニ、ピョン・ウソク 上映時間124分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー  2024年劇場鑑賞73本


 【ストーリー】
 現代。OLのアン・ミソ(キム・ダミ)はソウルの美術館からある依頼を受ける。写真のように見える写実的な絵を描くコ‣ハウン(チョン・ソニ)の作品展を開きたいが彼女は行方不明になっており、親友であるミソを通じて連絡を取りたいというものだった。だが、ミソはハウンのことは良く知らないと依頼を断る。


 1998年、済州島の小学校にミソ(キム・スヒョン)が転校してきた。男好きの母(ホ・ジナ)からネグレクトされていたが、小学校で出会った親友ハウン(リュ・ジウン)や家族に助けられてすくすくと育った。いつも一緒だった2人だが、別々の高校に進学。そこでハウンはジヌ(ピョン・ウソク)という少年と恋に落ちる。ミソも2人を祝福し、3人でつるむようになったのだが…


 【感想】
 中国版はハウンの書いたネット小説がきっかけですが、韓国版は絵に変わっています。この絵のモデルがミソであったことで、エモさが一段と増している気がしました。このほか細かい変更がありますが、骨格は中国版と一緒です。


 ミソは子供のころから自由奔放に生きていました。優等生のハウンはそれに振り回されつつも頼もしく思っています。しかし、小、中まではそんな生き方も当たり前でしたが、高校に入り将来のことがみえてくると次第に差がでてきます。さらに、初恋となるジヌの存在。親友と恋愛とどちらが大切かなんて普通は陳腐になりがちなんですが、中国版も韓国版も非常に切なく描かれています。


 田舎の済州島を飛び出し都会のソウルに単身で向かったミソはバンドやアーティストたちとサブカルっぽい生活にどっぷり。地元で教育大学を卒業して小学校の教師になったハウンとは住む世界が違います。一方で、家族の愛情に包まれたハウンに対して、ネグレクトされたミソは劣等感を持っていました。幼馴染なのにすれ違いから傷つけあうシーンはなんとも切ない。


 さらに、ジヌがなまじ優しい青年だけに、かえって傷つけてしまうのも恋愛映画あるあるといったところ。全盛期のトレンディドラマのような展開が続きます。そういえば、中国版のエンドロールには岩井俊二の名前があったけど、本作も彼の作品を想起させるような展開ですね。また、アジア映画あるあるだけど、スクーターの2人乗りというのは、まったくそういう経験がないにもかかわらず、非常に懐かしく感じられます。


 そして、美しくも切ないラストへ向けての怒涛の展開。韓国映画ならではの泣かせる演出に感心しました。「The Witch 魔女」とはまったく違うキム・ダミの演技は印象的。チョン・ソニとともに、単なる美人ではなくてしっかりした演技の女優として羽ばたきそうです。済州島の美しい自然もソウルとの対比が巧く表れていました。
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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