作品情報 2024年日本映画 監督:碓井将大 出演:鈴木昂秀、野村康太、新谷ゆづみ 上映時間93分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 2024年劇場鑑賞76本
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【ストーリー】
高校時代、秘密基地にしょっちゅう集まっていた仲良し男女5人組。卒業後、ムードメーカーの裕也(鈴木昂秀)は俳優になると町を飛び出して音信不通になっていた。5年後、突然、帰省するというので仲間たちはどよめく。中でも幼馴染で彼に片思いをしていた由衣香(伊藤千由李)は、親友のななみ(森高愛)にからかわれ、平然を装いながらも再会を心待ちにしていた。
ところが裕也は東京でできた彼女の葵(新谷ゆづみ)を連れてきた。とまどう他のメンバー。一方、地元組も高校時代に思い描いた人生にならずに焦っており、再会はギクシャクしたものとなり…
【感想】
俳優として活躍する碓井将大の初監督作品。フレッシュな顔ぶれの中、メンバーの一人で自閉症?気味の春樹(野村康太)の母親(高橋ひとみ)が、高校時代に両親を事故で亡くした裕也の親代わりにもなったことで物語にもがっつりかかわり、ベテランとして物語を引き締めています。
僕自身、祖父母から首都圏の出身で田舎もないので、こうした田舎の閉塞性、人間関係というのは今一つピンときません。しかし、男女問わず仲良しグループになって、大人になるにつれ恋愛も含めて関係が深化するというのはうらやましい。ななみはメンバーの一人、康二(比嘉秀海)と体の関係にあることもきっちりと描かれて、単なるお気楽な青春ものでないこともあらわれます。町の大人たちも含めて、距離感が近いのもリアルっぽい。
東京でくすぶっている裕也も含めて、5人ともに夢がかなわずもがいているというのは、今風のリアルなんでしょう。そうしたなか、異物としてかき回す葵の存在の塩梅もちょうどいい感じ。やりすぎにもならず、埋没せずもせず、彼女がいるから各自が本音が出て、今後のことに真剣に向き合うきっかけになれたといえましょう。ただ、タイトルは劇中にある登場人物のセリフとして出てくるのですが、ちょっと唐突に感じてしまったのも否めません。
鈴木はLDH系のダンスグループ、THE RAMPAGEのリーダー。LDHからは俳優として活躍するメンバーも続出しているだけに今後が楽しみです。また、新谷は「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」で非常に印象的な役柄を演じていた女優。本作でも難しい役柄を難なくこなしており、今後が期待されます。他の若手も今後、どんな作品で出会えるのか楽しみです。なお、エンディングロール後ににやりとするおまけエピソードがあるので、お見逃しなく。
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