作品情報 2023年アメリカ映画 監督:ガイ・リッチー 出演:ジェイク・ギレンホール、ダール・サリム、ジョニー・リー・ミラー 上映時間123分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ日比谷 2024年劇場鑑賞77本
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【ストーリー】
2018年、アフガニスタンでタリバンの爆弾工場を捜査していたジョン・キンリ―曹長(ジェイク・ギレンホール)率いる米軍の小隊はタリバンの奇襲を受けて壊滅。キンリ―も逃走中に撃たれて重傷を負った。唯一無事だった通訳のアーメッド(ダール・サリム)はキンリ―を荷車や担架などの人力で、100キロ以上離れた基地に無事帰還できた。
キンリ―は除隊してアメリカに戻った。だが、アフガンに残ったアーメッドはタリバンに賞金をかけられ、家族と一緒に身を隠した。キンリ―は上官のヴォ―クス大佐(ジョニー・リー・ミラー)にアーメッド一家の救助とアメリカへのビザを求めるが、役所社会で全然進まない。ついにキンリ―は自らアフガンへ行き、救出することを決意する。
【感想】
予告編をみてもあらすじは非常にシンプルなんですが、さすがはガイ・リッチー監督。アクションシーンの緊迫が半端ない。わらわらと現れては襲ってくるタリバン。他のこの種の映画では米軍側が圧勝ですが、本作で米軍の小隊が壊滅するシーンはいくら武器が優れていても量にはかなわないという恐怖をまじまじと感じさせられます。
さらに、脱出もアフガン人の服をまとって検問を突破しようとするひやひや感。キンリ―は意識がもうろうとして歩けないので、アーメッドの知恵と勇気、体力で切り抜けるしかないのです。結果が分かっていても、本当に助かるのかと終始はらはらしっぱなしでした。
一方、それだけ命がけの活躍をしてもビザはおりません。当初、アメリカ軍は通訳と家族にはビザを出すといっていたのですが、現実にアメリカ軍が撤退したときに何千人もの通訳、家族らが置き去りにされ殺されました。アメリカといえば正義というのがこの手の映画の鉄則ですけど、きちんとアメリカの官僚主義、現地人への冷酷さを描いているところはさすが、ガイ・リッチーがイギリス人だけあります。エンドロールには実際に通訳と米軍兵士が仲良くしている数々の写真が流れるのですが、今、彼らはどういう運命にあるのでしょうか。
ジェイク・ギレンホールが戦争映画の主役というのは意外な気がしますけれど、狂気のような戦場では彼のようなエキセントリックな俳優はうってつけでした。また、最初はアフガン人だということでアーメッドを軽く見て、信頼もしていなかったのが、死線をくぐりぬけるうちに固い絆、約束(コヴェナント)で結ばれるというタイトル、バディームービーもいい。なかなか拾い物の作品でした。
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