作品情報 2022年フランス、ベルギー映画 監督:ドミニク・モル 出演:バスティアン・ブイヨン、ブーリ・ランネール、ルーラ・コットン=フラピエ 上映時間114分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル 2024年劇場鑑賞98本
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【ストーリー】
2016年10月12日の深夜、フランスの小さな町で友人宅から帰宅途中の若い女性クララ(ルーラ・コットン=フラピエ)が何者かにガソリンをかけられ、生きたまま焼死させられる事件が発生する。
管轄のグルノーブル署で、昇進したばかりのモレル警部(バスティアン・ブイヨン)率いる捜査班が現地に急行。複数の容疑者は浮かぶが、どれも決め手に欠き…
【感想】
実際の未解決事件の映画かというと韓国映画の「殺人の追憶」が思い浮かびますが、重厚さは本作もあるものの、ソン・ガンホのような存在感はブイヨンにはありません。まあ、セザール賞の有望若手男優賞に輝いたので、フランスでは評価されているみたいですけど。
21歳のクララは男に惚れっぽい性格で、男性関係が捜査されていきます。そもそも、映画でもクララが反抗に合うシーンは、男から「クララ」と呼びかけられています。けれども、ガソリンをかけて殺すことは、通り魔や近くに住む変質者の可能性もありえます。また、素手で撲殺するよりもはるかに軽い力でできるので、女が犯人でもおかしくありません。にもかかわらず、捜査はクララの男性関係しかおわず、しかも行き当たりばったりです。
また、捜査班の中のベテラン、マルソー(ブーリ・ランネール)は妻の浮気で気もそぞろ。関係者に妻と同じ名前の女がいるだけで、異様に肩入れしてしまいます。刑事も人間だということを明らかにしたかったのかもしれませんが、日本だったらもっと管理職が差配するでしょう。
交友関係にしてもクララの親友で、男性関係を証言したナニー(ポーリーヌ・セリエーズ)の証言任せ。しかも、怪しそうな容疑者が複数浮かびますが、アリバイがあって白だとわかった人がいる一方で、いつのまにか捜査線から消えた人もいます。捜査をできるだけ客観的に見せたかったのでしょうけど、なんか分かりにくい。人間関係の起伏も通りいっぺん。雪が降るなかでの懸命の捜査など重厚なシーンは悪くないのですけど、いくら未解決とはいえ主筋の事件部分がなあ。
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