2024年03月22日

愛のゆくえ

 宮嶋風花監督が孤独な14歳の男女の魂の触れ合いを描いた青春映画。題材と前半のシビアな様子からリアルな話と思ったら、結構、幻想的なところもあって意外でした。冬の北海道をはじめ映像は背筋がぴんとくるように美しいけど、ストーリーがちょっととっちらかっちゃったかな。
 
 作品情報 2023年日本映画 監督:宮嶋風花 出演:長澤樹、窪塚愛流、田中麗奈 上映時間88分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい  2024年劇場鑑賞99本



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 【ストーリー】
 北海道で暮らす14歳の須藤愛(長澤樹)は母の由美(田中麗奈)、同級生の伊東宗介(窪塚愛流)と3人暮らし。宗介が幼いころに著名な野球選手だった父(磯野大)が事故死し、母の夏美(林田麻里)が精神を病んで宗介を捨てたため、家族ぐるみの付き合いのあった須藤家に引き取られたのだ。


 だが、由美も病気で亡くなり、愛は東京にいる父の隆善(來河侑希)に引き取られることに。転校先で不良だが女子に人気のイケメン先輩、七瀬徹(兵頭功海)に気に入られたことから他の女子に嫉妬されいじめにあう。父との仲もうまくいかずに、北海道の宗介と離れ離れになった愛は…


 【感想】
 長澤と窪塚、兵頭の雰囲気から高校が舞台かと思ったら14歳だという設定にちょっとびっくり。邦画では年上の俳優を使うことはあるのだけど、14歳を特別視するのだったら同じ年の俳優の起用でも良かったと思いました。


 とはいえ、長澤の周囲の不純物を拒絶する、孤高のたたずまいはなかなかだせるものでありません。北海道の雪景色や自然がときどきインサートされますけれど、この孤独な大地に負けないだけの存在感はみごとでした。


 一方、ストーリーのほうは愛が北海道でも東京でもいじめに遭うというのが、ちょっといらっときてしまいます。愛は不幸のてんこ盛りの象徴のような感じで、この年ならではの生身の少女という気がしません。まあ、後半に行くにしたがって、幻想的なところもはいってくるので、あえて不幸のエピソードをありがちなものにしているのかもしれませんが、こんな理由でいじめになるとはすごい殺伐としており、いかにもフィクションという感じ。


 また、徹先輩の存在理由もいじめを引き起こすためのような感じ。むしろ、そのあと出てくるホームレスのリーダー(堀部圭亮)のほうがはるかに物語の深いところにかかわってきます。このへんの感覚というのがちょっとわかりませんでした。あまり深く考察するのでなく、映像美も含めて自分がどう感じるかによるタイプの作品です。
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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