2024年04月02日

美と殺戮のすべて

 世界的な写真家、ナン・ゴールディンがオピオイドの反対運動をリードしている姿を描いたドキュメンタリー。ゴールディンもオピオイドもよく知らなかったので、彼女の伝記部分と反対運動の部分がうまく融合していない気がしました。


 作品情報 2022年アメリカ映画ドキュメンタリー 監督:ローラ・ポイトラス 上映時間121分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ  2024年劇場鑑賞114本



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 【ストーリー、感想】
 ナン・ゴールディンは1970年代、80年代のニューヨークのサブカル、同性愛者コミュニティーの中心的存在で、世界各地の美術館が彼女の写真を所蔵したがっているそう。彼女は代表作「性的依存のバラード」のような過激な写真集を発表するとともに、自らも売春宿に勤めたり、麻薬にはまったりするなど当時の文化人によくあるような日常を逸した生活を送っていました。


 けがの治療の際に鎮痛剤のオピオイドを投与されたことから中毒患者になります。オピオイドは痛みを和らげる反面、依存性が強くてアメリカではこれまで50万人以上の患者が亡くなり社会問題になっています。しかし、製造元の薬品会社のオーナー、サックラー一族は医師に利益供与することでシェアを拡大するとともに、政治献金もしてオピオイドを合法薬のままとして1兆円以上の資産を築きました。一方、美術愛好家としてもしられ、ルーブル、メトロポリタンなど各地の美術館に多額の寄付をして、サックラーの名前が展示室につけられるほど。


 ゴールディンは中毒から回復した後、オピオイドの反対運動のリーダーになり、各地の美術館にデモや館内でビラを大量にばらまくなど激しい抗議を繰り広げます。美術館にしてみれば、著名な芸術家である彼女の機嫌を損ねることもできないし、マスコミも大きく取り上げることもあり、徐々に活動は成果をあげていきます。


 オピオイド中毒については聞いたことがあり、鬱映画と名高い「レクイエム・フォー・ドリーム」などでも取り上げられてますが、ここまで被害が広がり、被害者の生の声も映画では取り上げられておりびっくりしました。そして、巨大な権力者に向かって市民運動が成果をあげたのはすごいと思います。日本ではデモに冷笑する無期もありますが、やはり動かなければ事態は変わらなかった。


 一方、幼少期からのゴールディンの伝記映画の側面もあり、幼いころの姉の自殺、男女を問わない恋愛遍歴などがつぶさに紹介されます。80年代のゲイコミュニティーの友人が90年代にエイズでほとんどが亡くなったというのも、ミュージカル映画「RENT」をリアルでいっているよう。「性的依存のバラード」はじめ彼女の代表作も映画でとりあげられています。


 ただ、僕には写真の良し悪しが分からなかった。Hな写真としかみえないものも多かったですし。彼女の作品、人物に関心がある人ならいいけれど、それだったらもうちょっとオピオイドへの抗議部分を詳しく観たかった気がしました。
posted by 映画好きパパ at 06:03 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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