作品情報 2024年アメリカ映画 監督:アルカシャ・スティーヴンソン 出演:ネル・タイガー・フリー、ビル・ナイ、ソニア・ブラガ 上映時間119分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2024年劇場鑑賞134本
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【ストーリー】
1970年、アメリカの孤児院から、ローレンス枢機卿(ビル・ナイ)の紹介でローマの古い修道院で働くためやってきたマーガレット(ネル・タイガー・フリー)。修道院は厳しい院長(ソニア・ブラガ)のもとで統率がとれていたが、修道院で暮らす少女カルリータ(ニコール・ソラーチェ)の不気味な行動に頭を悩まされていた。
ある日、教会を破門されたブレナン神父(ラルフ・アイネソン)がこっそりマーガレットのところを訪れ、恐ろしい陰謀を話す。なんと悪魔の子が生まれようとしており、その母親ころがカルリータだという疑いがあるというのだ。ブレナンはカルリータの出生書類を探すようマーガレットに依頼。最初は話を信じなかったマーガレットも、不気味な出来事や幻視で、だんだん信じるようになり…
【感想】
オーメンは子供のころテレビで観て怖かった記憶があります。何しろ、首をちょんぎられるなど、次々と悲惨な犠牲者が現れるのですから。2006年のリメイク版でも結構犠牲者はいました。ただ、本作はディズニー製作だからか、犠牲者はそれほどでません。それよりも、心理的な恐さを狙った感じです。
また、悪魔の子、アンチ・キリストにも意味がありました。これは近年、カソリック教会の性虐待、腐敗などをモチーフにしています。オリジナルは悪魔を信仰する一派というよくあるアメリカのホラー的な存在だったのですけど、本作は教会、ひいては権威の生み出す闇という形になっています。教会だけでなくアメリカの政治への暗喩という気も。
一方演出ではオリジナルを意識した描写がある一方、アリ・アスター作品や実際に制作側が観ているかわかりませんが「女神の継承」を意識したような、近年のホラーのテイストをくみとったところも気に入りました。特に、初主演となるネル・タイガー・フリーの熱演はみごとで、幻視シーンも含めてスクリームクイーンとして見事な存在。脇を大ベテランが支えることでいい感じになっています。
ファッションや若者のデモなど騒然とした雰囲気も格調を高くしています。また、修道院には幼い少女たちがたくさん暮しており、日中のシーンも多いのですがそれが不気味さをますという演出もよかったです。明らかに続編を見据えたラストですけど、変なアクションホラーにならなければ良いのですが。
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