作品情報 2024年日本映画 監督:山下敦弘 出演:濱尾咲綺、仲吉玲亜、清田みくり 上映時間87分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ港北ニュータウン 2024年劇場鑑賞165本
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【ストーリー】
夏休み。徳島南高校2年生のココロ(濱尾咲綺)とミク(仲吉玲亜)は体育教師の山本(さとうほなみ)から補習として命じられ、水の無いプールを掃除していた。隣接するグラウンドから野球部の練習で砂が飛んでくるのだ。真面目なミクと違い、一軍女子でメイクが命のココロは掃除をする気がない。
一方、水泳部の部長のチヅル(清田みくり)は水の無いプールの底でクロールなどの恰好をして練習していると言い張っていた。そこへ3年生の前部長ユイ(花岡すみれ)が現れた。チヅルは水泳部を辞めるといいだして、それを引き留めに来たのだ。
【感想】
原作・脚本の中田は2019年に徳島市立高校演劇部時代に本作を執筆し、四国広告演劇大会で受賞。2021年には中田が演出して下北沢で舞台が上演された。本作は清田を除いた3人は舞台版の出演者をそのまま起用しており、演者同士が醸し出す雰囲気がナチュラルなのはそのお陰かもしれません。
大した事件が起きるわけではありませんが、無理解な教師への怒り、女子アスリートとしての男子への反発、阿波踊りの男女の踊りの違い、そして、生理など女性特有の問題など、徳島の女子高生ならではの小さいけど本人にとっては真剣な問題が盛り込まれています。山下監督は「リンダリンダリンダ」で女子高生の青春をうまくすくいあげましたが、生理やジェンダーの問題はやはり女性監督で見たかったのが正直なところ。
僕としては唯一大人の山本が、高校生が思うほど大人ではないというのに親近感を覚えました。一方で、大人は高校生を経験しているのに高校生を子ども扱いしちゃうのですよね。この落差というのは不思議。女性特有の問題は正直、実感がわきませんが、違う世代への無理解というのはいろいろ共感を覚えてしまいます。
さとう以外の4人はまだ顔と名前は一致しないフレッシュな顔ぶれ。濱尾は「バラシファイト」で観ているのをはじめ、それぞれいろんなドラマ、映画に出演しているのですけど。しかし、知らないだけにリアル、ナチュラルな女子高生というのを感じ取れました。だらだらした作品だけど、こういう青春もあるよねと思っていたら、ラストのちょっと意外な行動は良かった。僕も野球部は偉そうと思ってたからなあ。
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