2024年05月21日

鬼平犯科帳 血闘

 二代目中村吉右衛門の当たり役の時代劇を、甥の10代目松本幸四郎主演で映画化。非常にオーソドックスなできなんですけれど、「るろうに剣心」のアクションを観たあとではなあ。


 作品情報 2024年日本映画 監督:山下智彦 出演:松本幸四郎、市川染五郎、中村ゆり 上映時間111分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル  2024年劇場鑑賞176本




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 【ストーリー】
 押し入った先を皆殺しにする凶悪な盗賊、網切の甚五郎(北村有起哉)一味は犯行を昔気質の老盗賊、鷺原の九平(柄本明)に目撃される。口封じのため一味のおりん(志田未来)が昼間は居酒屋をしている九平の所に客を装って訪ねるが、偶然、江戸の治安を守る火付盗賊改で悪党には容赦せず「鬼平」と恐れられている長谷川平蔵(松本幸四郎)も客にいて、2人のことを不審に思った。


 折から、平蔵のところを昔馴染みの女性、おまさ(中村ゆり)が密偵にしてほしいと訪ねてきた。平蔵は若いころは手を付けられない不良で「本所の銕」(市川染五郎)と恐れられていた。おまさはその時に妹のように平蔵を慕ってくれたのだ。最初は断った平蔵だが、おまさと九平は旧知のなかで、一緒に甚五郎のことを調べるうちに捕まってしまい…


 【感想】
 時代劇ファンのおなじみの鬼平で、原作者の池波正太郎生誕100年を記念して映画化されました。脚本がベテランの大森寿美男、監督の山下もテレビの時代劇をたくさん撮っていることもあり、非常に手慣れたできとなっています。ストーリーも平蔵とおまさ、そして甚五郎の因縁、妻の久栄(仙道敦子)に弱い平蔵が、悪の前では鬼になる面白さは健在。さらに、実の息子の染五郎が平蔵の若いころを演じているなど、時代劇ファンならまずまず満足できるでしょう。まあ中村吉右衛門の偉大さを実感できましたけど。


 しかし、殺陣は悪くはないのだけど驚きはない。やはり「るろうに剣心」のあとは、時代劇アクションを観る目がこちらも変わってしまいました。同じ池波正太郎シリーズで昨年公開された「仕掛人梅安」は派手な剣劇が少ない分、殺しのテクニックなどを魅せてくれましたが、結局、平蔵を中心にした剣のアクションは良くも悪くも伝統芸。個人的には平蔵の強みがいまいち伝わってこず、主人公補正のようにしかみえませんでした。


 演出では食事がうまそうなのは池波ドラマの特徴。本作でもシャモ鍋や山芋を刷り込んだ酒などが本当に美味しそう。期間限定でコラボするレストランがあれば行くのになあと思いつつ食べ物に気を取られていました。


 鬼平配下の与力、同心は本宮泰風、浅利陽介、山田純大ら渋い顔ぶれ。おまさの子役時代の中島瑠菜も古風で素朴な美少女がよく似合っていました。配役は新生鬼平としてはなかなかのもの。次回作があるような終わり方ですが、時代劇専門チャンネルのドラマみたいで、さすがにそこまでは追えないかな。
posted by 映画好きパパ at 06:01 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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