2024年05月24日

ミッシング

 情報過多ゆえに大切なものが壊れていく現代社会の闇を描いた社会派作品。ネットやマスコミのひどさを取り上げる作品は多いけど、本作が一番リアルかなあ。
 
 作品情報 2023年日本映画 監督:吉田恵輔 出演:石原さとみ、青木崇高、中村倫也 上映時間119分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ブルク13  2024年劇場鑑賞179本




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 【ストーリー】
 沙織里(石原さとみ)、豊(青木崇高)夫婦の6歳になる一人娘、美羽(有田麗未)が帰宅途中に行方不明になる。2人は必死で探すが、警察の捜査でも行方は分からないまま。3カ月後に関心を持つのは地元テレビ局の記者、砂田(中村倫也)だけだった。


 沙織里は、最後に美羽と一緒にいた弟の圭吾(森優作)を無理やり砂田の取材を受けさせる。だが、圭吾のアリバイが不確かだったことからネットでは圭吾が犯人ではとの中傷や、沙織里が当日、推しのライブを観に行っていたため子供から目を離した母親の責任だという批判で炎上する。


 【感想】
 行方不明の少女を探すミステリーというより、バッシングに荒れるネットや、視聴率第一のテレビの問題点を描き、断絶した世相を描いています。ただ、ネットなんかなかった時代もマスコミの取材はかなりいい加減で視聴率第一主義でしたし、いたずら電話などの嫌がらせは普通にありました。ネットでそういう嫌がらせが手軽にできて、社会問題化しているけど、もともと狂ったような人、独善的な人っていうのは一定はいたのでしょう。


 娘を探す2人がビラを配っても、大部分の人は無視して通り過ぎていく。これも拉致被害者の横田めぐみさんのドキュメンタリー映画「めぐみ」で今から30年以上前に横田さんの親が駅前でビラ配りをしているのに、嫌がらせみたいなことをする人がいたのを思い出しました。これまた、冷たい人間というのはいつの時代にもどこにもいるわけです。


 一方、この映画の白眉は砂田の存在。砂田は個人としては真面目で、沙織里たちに寄り添いたいと思っています。しかし、組織の命令には逆らえません。社内では上司に抗議をしますが、出世コースから外されるだけ。ひどい番組は放映されてしまいます。マスコミ内部で少数ですが悩んでいる人がいても排除されて、どんどん番組の質が低下する。実にリアルだと思わされました。


 石原はやつれたメイクで、これまでのイメージを一新するような打ちのめされた役を熱演していますが、受けの演技で彼女をフォローする青木の演技が素晴らしい。耐えに耐えた彼の感情が崩壊するところは目を離せません。また、森が恐らく発達障害があるのでしょうけど、それゆえに疑惑を招くというった構図、苛立つ表情なども見応えがあります。現代社会の闇をしっかり描いた秀作でした。
posted by 映画好きパパ at 06:16 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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